2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14086204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 弘資 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (10313230)
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Keywords | ストレス / シグナル伝達 / MAPキナーゼ / アポトーシス |
Research Abstract |
我々は,HEK293細胞に発現させたFlag-ASK1と相互作用する分子のプロテオミクス解析により,新たなASK1結合分子としてPGLM(phosphoglycerate mutase (PGAM)-like protein containing a putative trans-membrane domain)を同定した。PGLMはHEK293細胞内でASK1と結合し,そのキナーゼ活性を上昇させた。PGLMのHis105に変異を導入するとASK1に対する結合能は保持されたが,活性化能は消失した。ASK1と共発現させたPGLMは,定常状態でリン酸化されているASK1のカルボキシル末端領域の脱リン酸化を引き起こすことから,ASK1のキナーゼ活性に対して抑制的に働くリン酸化部位をPGLMが脱リン酸化することによってASK1を活性化していると考えられる。ASK1に対する脱リン酸化は、大腸菌で作製したリコンビナントPGLMによっても観察され、His105変異体のリコンビナントタンパク質では認められなかったことから,PGLM自身がprotein phosphataseとしての活性をもつことが強く示唆された。実際,リン酸化ペプチドを用いたin vitro実験により,PGLMはHis105に依存してserine/threonine phosphatase活性をもつことが明らかとなった。よってPGLMは新規のprotein phosphataseとして機能し、新たな機構でASK1の活性を制御する分子であることが示唆される。また,PGLMのphosphatase活性の至適pHがこれまで知られているprotein phosphataseより酸性領域であることが明らかとなったことから,PGLMが細胞内酸性化のセンサーとしてASK1の活性化に寄与するという新たなストレス応答機構が想定される。
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Research Products
(6 results)