2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14087201
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小熊 譲 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90114074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 京一 筑波大学, 生物科学系, 講師 (90247205)
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Keywords | 種分化 / ショウジョウバエ / 生殖的隔離 / 性的隔離 / 求愛歌 / 認識 / 遺伝子 / 分子機構 |
Research Abstract |
アナナスショウジョウバエとパリドーサショウジョウバエの間には、強い性的隔離がある。これまでの研究から、雄が発する求愛歌は種特異的であり、雌による求愛歌の識別が性的隔離の原因となっていることが明らかである。本研究では、これら「種分化遺伝子」の分子機構を解明するために、原因遺伝子の特定をめざしている。 雌の求愛歌識別遺伝子は、第2染色体左腕のデルタ遺伝子近傍に位置し、アナナスショウジョウバエの対立遺伝子が優性である。デルタ遺伝子はhaplo-insufficiency座位であり、欠失ヘテロではこの表現型が現われる。アナナスショウジョウバエ雄に放射線を照射し、次世代の表現型に基づいて、欠失染色体をスクリーニングする方法を確立した。 一方、雄求愛歌の種特異性を決定している遺伝子を特定するために、求愛歌の音要素を解析した。染色体置換系統の求愛歌パターンと交配成功率を調査し、その相関から、雌が認識しているのはバーストのパルス内周波数であることが明らかになった。 また、全ゲノムを対象にして「種分化遺伝子」をマッピングするために、種間モザイクゲノム系統を約300確立した。これは雑種の単為生殖を利用して、組み換え型染色体を1世代でホモ接合体化して出来たものである。この中70系統を対象にした54個のRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)マーカー解析が終了し、大まかな連鎖地図を作成した。さらに、連鎖地図にアンカー(錨)を設定するために、細胞学的位置の明らかなマーカー(RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)および染色体逆位)を導入した。その結果、全ての染色体腕の由来を識別できるようになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T Miyo, Y Oguma, B Charlesworth: "The comparison of intrinsic rates of increase among chromosome-substituted lines resistant and susceptible to organophosphate insecticides in Drosophila melanogaster"Jpn.J.Genet.. 78(5). 373-382 (2003)
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[Publications] K Sawamura, TL Karr, MT Yamamoto: "Genetics of hybrid inviability and sterility in Drosophila : dissection of introgression of D. simulans genes in D.melanogaster genome"Genetica. 120(1-3). 253-260 (2004)
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[Publications] K Sawamura, J Roote, CI Wu, MT Yamamoto: "Genetic complexity underlying hybrid male sterility in Drosophila"Genetics. 166(2). 789-796 (2004)