2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14087203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 道雄 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (40112552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽田 貞滋 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00192625)
渡辺 勝敏 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00324955)
山岡 耕作 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 教授 (20200587)
幸田 正典 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70192052)
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Keywords | 左右性 / タンガニイカ湖 / シクリッド / 分子系統 / 種分化 / 交差捕食 / 遺伝様式 |
Research Abstract |
全ての魚類が左右性を持つことを実証するために、魚類の全62目から代表1種を選び、各10個体について下顎の左右差および頭骨の角度を測定した。その結果、これら全ての魚種に左右性の二型が存在することを確認した。魚類群集の左右性の動態と種分化・生物多様性に及ぼす影響については、琵琶湖とタンガニイカ湖を調査地として選び、年1回の現地調査を実施した。主に定置網とスキューバ潜水によるサンプリングを行い、各魚種について左右性の比率を算出できるだけの個体数を得た。またスキューバ潜水による行動観察も行った。その結果、タンガニイカ湖では全種について左右性の振動が明らかとなり、その振幅は約0.3、周期は約5年であることが示された。琵琶湖では比率の年変化はまだ数種の魚種でしか追跡できていないが、やはり振動しており、その振幅は約0.3、周期は約6年であることが明らかとなった。この2つの湖における周期の違いは、主に捕食者の成熟までの年数によると考えられた。 また、タンガニイカ湖の捕食魚の胃内容分析から、各利きの捕食者は逆の利きの捕食者を多く捕食しており、この「交差捕食の卓越」が左右性の振動を生む主動因と考えられた。 この予測を確かめるために、数理モデルを使ったシミュレーションを行ったところ、確かに交差捕食がなければ比率の振動は生じないこと、また左右性という種内二型の存在は捕食者-被食者の系を安定させ、両者の共存を導くことが示された。 無脊椎動物の左右性をコウイカ類・ザリガニ・ヌマエビ・カニ類について検討し、いずれにも形態上の左右性が個体群内二型として維持されていることが確認された。うちザリガニとヌマエビについては交配実験から、左右性が遺伝形質であることの証拠を得た。
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Research Products
(13 results)