2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14087206
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
石田 直理雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究グループ長 (00344234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花井 修次 産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究員 (80333483)
霜田 政美 農業生物資源研究所, 昆虫生産工学研究グループ, 主任研究員 (80344000)
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Keywords | 体内時計 / 進化 / 生殖隔離 |
Research Abstract |
種形成のための生殖前隔離分子機構としてショウジョウバエの交尾リズムの重要性を研究している。既に我々は小笠原諸島に生息する近縁種のショウジョウバエD.Melanogaster(キイロショウジョウバエ)とD.Simulans(オナジショウジョウバエ)のメイティングリズムの一日の中のタイミングの違いが種の形成にも影響を及ぼしている可能性を示唆した。(Proc.Natl.Acad.Sci.USA98(16),9221-9225,2001)さらに我々は、ショウジョウバエ雌の交尾時間が時計遺伝子に支配されることを発見した。すなわち、ショウジョウバエの雄と雌を同じビンに入れ、メイティング(交尾)の頻度を調べたところ、昼と夜にピークを持つリズムを示し、夜のリズムは恒暗条件下でも持続した。さらに雌の時計遺伝子変異株(per0,tim0)と雄のそれとを互いに交換して測定した結果、雌を変異株にした時にのみ交尾リズムが失われることから、雌が交尾リズムを支配していることが示された。これらの研究結果は、交尾時間を制御する雌特異的分子機構の存在を強く示唆している。既に前年度までの実験結果からアナナスショウジョウバエもキイロショウジョウバエやオナジショウジョウバエと異なるそれぞれの種独自の交尾リズムを示すことを示してきた。さらに、異種の時計遺伝子がどの程度交尾リズムに影響を与えるかも解明する予定である。現在、ロコモーター行動リズムや羽化リズムに関る脳内中枢は既に同定されているが、交尾リズムの中枢については全く未知である。そこで、今年度は、交尾リズム脳内中枢を同定する目的で欠失変異株(per0)にPER蛋白質を様々な部位で発現しているトランスジェニックフライを用いてその交尾リズムの有無を解析してみた。その結果、交尾リズム中枢は、行動リズムの中枢と別の部位である事を同定した。そこで、RNAi法を用いてこれら複数の領域を絞り込んだところ、DN1,2,3とLNd領域でのperの発現が交尾リズムに必要である事が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)