2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14101003
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加藤 泰建 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00012518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 欣也 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (90283027)
関 雄二 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (50163093)
坂井 正人 山形大学, 人文学部, 助教授 (50292397)
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Keywords | 文化人類学 / アンデス先史 / 形成期 / クントゥル・ワシ遺跡 / パコパンパ遺跡 / ラス・ワカス遺跡 / ペルー:ボリビア / データベース |
Research Abstract |
1.クントゥル・ワシ神殿遺跡データベースの作成準備 (1)現地クントゥル・ワシに保管してある出土遺物(石器、骨角器、獣骨資料)の整理・分析を行い、観察データの電子ファイル化をほぼ完成させた。また。国内ではこれまでの発掘調査に関する写真、図面、調査日誌等の全資料の電子ファイル化を行い、検索可能なデータ集を作成した。 (2)資料の総合的な分析からクントゥル・ワシ神殿の時期別(9時期)建築遺構図を完成させた。 (3)クントゥル・ワシ遺跡出土のソーダライト製品の分析から産地同定(ボリビア山地セロ・サポ鉱山)を行い、紀元前800年頃における特殊資源の遠距離交易の実態について実証的なデータを得た。 2.関連遺跡の発掘調査による各地域社会の相互関係の分析 北部山地のパコパンパ神殿、河谷中流域のラス・ワカス神殿、河谷下流域海岸平野のリモンカルロ神殿において発掘調査を行い、クントゥル・ワシ神殿を中心とする広域社会の発展について、実証的なデータから以下のような見通しを得た。 (1)北部ペルーでは形成期中期(前1500年-前800年)に各地域が神殿を中心とする独自な活動を展開した。 (2)形成期後期前半(前800年-前500年)になると広域社会が形成され、山地のクントゥル・ワシ神殿とパコパンパ神殿が高い相同性を持つ二大センターとして発展した。一方、海岸部ではリモンカルロ神殿が放棄され地域社会の求心力を失った。河谷中流部でもラス・ワカス神殿が放棄されたが、同地域ではあらたに別の神殿が建設され、広域社会形成への対応が見られた。 (3)形成期後期後半(前500年-前250年)になるとパコパンパ神殿とクントゥル・ワシ神殿は独自性を高め、異なる社会発展を示すようになった。一方、河谷中流部の神殿は放棄され、広域社会への統合が進んだ。
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Research Products
(8 results)