2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14102009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 友明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40312540)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
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Keywords | マグネシオブスタイト / 金属鉄 / FeSi合金 / 鉄酸化物 / 鉄水素化 / Mgペロブスカイト / 元素分配 / 濡れ角 |
Research Abstract |
本年度においては、ダイヤモンドアンビル高圧装置とマルチアンビル高圧装置を用いた実験によって、核および核マントル境界での相転移と反応を明らかにした。(1)マグネシオプスタイト(Mg, Fe)Oの高温高圧相転移を100GPa,2000C程度の条件まで明らかにし、この条件では岩塩構造が安定であり、高圧相への相転移は存在しないことが明らかになった。(2)FeSi合金について200GPaまでの圧力まで圧縮実験を行い、核の条件でのFeSi合金の密度を明らかにし、核中のシリコンの存在量を推定した。(3)鉄と水素の反応および鉄と水の反応を約80Gpaの条件で数100Cの条件まで明らかにした。これにもとづいて、核中の水素の存在量を推定した。また、鉄と水がマントル内部で反応し、FeOとFeHに分解することを明らかにした。また、FeNi合金と水素、そして水の反応を始めて明らかにした。FeNi合金の反応は純鉄の反応とは異なることを明らかにした。(4)金属鉄と下部マントルを構成するMgペロブスカイトとの反応を明らかにした。特に27GPa,2600Cの条件で、これらが反応してFeSi融液とマグネシオブスタイトへの反応が生じることを明らかにした。このことは、下部マントルを沈降する金属鉄にシリコンが溶け込み、マグネシオブスタイトが生じることを示唆している。また溶融金属鉄とMgペロブスカイトとの遷移金属Fe, Ni, Coの元素分配の温度、圧力、酸素分圧依存性を明らかにした。(5)下部マントル条件での溶融金属鉄とマグネシオブスタイト、金属鉄とMgペロブスカイトの間の濡れを測定した。これらの濡れの二面角は大きく60度以上であることが明らかになった。金属鉄は下部マントルでは濡れにくいことが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大谷栄治, 久保友明, 鈴木昭夫: "プルーム内部でなにが起こっているのか、超高圧実験から見たプルームテクトニクス"熊沢峰夫、丸山茂徳編、プルームテクトニクスと全地球史解読. 314-322 (2002)
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[Publications] 大谷栄治, 久保友明, 鈴木昭夫: "水が地球深部を支配する-超高圧実験の最新の成果"熊沢峰夫、丸山茂徳編、プルームテクトニクスと全地球史解読. 323-325 (2002)
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[Publications] Suzuki, A., Ohtani, E., Funakoshi, K., Terasaki, H., Kubo, T.: "Viscosity of albite melt at high pressure and high temperature"Physics and Chemistry of Minerals. 29. 159-165 (2002)
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[Publications] Kubo, T., Ohtani, E., Kato, T., Urakawa, S., et al.: "Mechanisms and kinetics of the post-spinel transformation in Mg_2SiO_4"Physics of The Earth Planetary Interiors. 129. 153-171 (2002)
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[Publications] 近藤忠: "ダイヤモンドアンビルセルを用いた高温高圧力実験と放射光実験の進歩"高圧力の科学と技術. 12・2. 112-119 (2002)
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[Publications] Kubo, T., Ohtani, E., Kondo, T., Kato, T., et al.: "Metastable garnet in oceanic crust at the top of the lower mantle"Nature. 420・6917. 803-806 (2002)