2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14102009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
久保 友明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (40312540)
寺崎 英紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50374898)
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Keywords | マグネシオブスタイト / 金属鉄 / FeH / ダイヤモンドアンビルセル / Mgペロブスカイト / 分配 / 濡れ角 |
Research Abstract |
本年度は、地球核と核マントル境界の研究に関して、以下のような成果が得られた。 1、ダイヤモンドアンビルによって、核マントル境界の温度圧力である140GPa,3000Kを実現した。さらに、核内部の200GPaの発生を可能にし、ここでの高温の実現を目指している。 2、マルチアンビルを用いた実験では27GPa,3500K、1時間の安定した条件を実現し、酸素分圧を変数として鉄とMg-ペロブスカイトが反応し、鉄にSiとOが固溶し、マグネシオブスタイトが生成する反応を見出した。 3、金属鉄と水の反応を80GPaまで明らかにした。実験の結果3Fe+H20→2FeH(γ or dhcp)+FeOの反応が10GPa以上1000K以上で生じることを明らかにした。また、10GPa以下の圧力ではFeOOHとγ-FeHが共存し、80GPa,1200Kではdhcp型のFeHとB8構造のFeOに分解することを示した。これら反応は、初期地球とともに現在の低温のスラブ内部でも生じ得る。 4、核マントル境界の条件140GPa,3000Kの条件でMgSiO3ペロブスカイトと金属鉄の反応、金属鉄とMg-ペロブスカイトの二面角を測定した。核マントル境界の条件では、酸素と珪素が数%鉄中に溶解し、また二面角が減少し64度程度になることを明らかにした。このことは酸素とシリコンが核の有力な軽元素の候補であること。また、下部マントルと核マントル境界では鉄とMg-ペロブスカイトはぬれやすく鉄が分離しやすいことを示す。 5、下部マントル全体をカバーする条件において、マグネシオブスタイトとペロブスカイト、ポストペロブスカイトの鉄マグネシウムの分配を明らかにした。 6、140GPa,3000-3500Kの条件で、溶融鉄中へのカリウムの溶解量を測定した。分配係数は0.15程度であり、核中のKは、磁場の原因となる核ダイナモを引き起こす熱源として十分であることを示した。
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Research Products
(7 results)