2005 Fiscal Year Annual Research Report
GaN系半導体ヘテロ構造における表面界面の原子レベル評価と物性制御
Project/Area Number |
14102010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 安仁 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70312642)
サドウスキー J・T 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40333885)
高村 由起子 (山田 由起子) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90344720)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 超薄膜 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトでは、GaN系ヘテロエピタクシーのプロセスを原子レベルで解析し理解を進め、この構造・組成情報と対応付けてヘテロ層内もしくは界面に発現する物性を原子レベルで測定・評価することで、新たなデバイス材料創製に向けた基礎的知見、指導原理を得て行くことを目指している。 本年度においては、ZnO系の青色発光LEDの開発成功などに伴うGaN系の発光デバイスに対するコスト抑制の圧力の高まりに対応して、安価かつ既存の電子デバイスとの親和性も高いシリコンを基板として使用したGaNの薄膜成長の最適化を主としてSTMおよびAFMによる原子レベル観察を通じて行い、GaN系発光デバイスの特にコスト面における新たな可能性を模索した。 1.Si(111)表面に対するGaN薄膜の結晶成長制御 昨年度においてSi(111)表面上に対するGaN薄膜の直接成長に関する基本的な成長条件の最適化を行ったが、この成長過程に関して詳細な検討を行い、成長過程における基板温度およびフラックス制御の役割の解明を試みた。その結果、この表面上においては窒素極性の薄膜成長が均一な薄膜の成長という観点から望ましく、成長初期においてN-rich条件で窒素極性膜の核生成を優先的に行った後、高品質薄膜成長が可能なGa-rich条件にフラックス条件を変更する事によって窒素極性の高品質GaN薄膜が作成可能である事を見出した。 2.ZrB2をバッファ層としたシリコンに対するGaN薄膜の結晶成長の最適化 近年Si(111)とGaN双方に親和性の高いZrB2薄膜がシリコン表面上にGaN薄膜を接合する際のバッファ層として注目されつつあるが、本年度の研究計画においてはこのバッファ層となるZrB2の構造およびその上に成長されたGaN薄膜の成長過程をSTM、AFMによる原子像観察によって解明した。その結果、この表面上に於いては幅広い成長条件において窒素極性の薄膜が成長可能である事が判明し、その事が界面に於けるZrとN原子間の結合の安定性から来る事を示した。
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