2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造・超高速現象の解析制御と次世代新機能素子開発への展開
Project/Area Number |
14102011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
重川 秀実 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20134489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井川 治宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60223715)
保田 諭 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | STM / 超短パルスレーザー / フェムト秒時間分解 / 超高速現象 / 新奇機能素子 / ナノテクノロジー / 走査プローブ顕微鏡 / トンネル効果 |
Research Abstract |
GaN_xAs_<1-x>を試料として、新しく開発したフェムト秒時間分解STMを用い、サブピコ秒領域でのキャリアーダイナミックスをトンネル電流で測定することに成功したが、その後、ポンプ・プローブ2パルス間の干渉の効果を除去する為の測定・解析法の改良・開発や、照射光量依存性など、観察される現象の詳細を解析する仕組みを確立する試みを進めてきた。例えば、非線形性を仮定することによって得られた信号をフィッティングすることにより、より正確な緩和時間の導出などが可能になることが明らかになった。また、これまでは、遅延時間系・光路差の有効距離が短く、短い緩和時間領域しか測定することができなかったが、装置を改良することで、遅い成分の解析を可能にした。これにより、以前、2成分として求まっていた他に、緩やかな緩和の成分が存在することなどが確認された。続いて、今後、本手法の有効性を示すため、微細構造を持つ実際のデバイス等を対象とした計測を計画しているが、その準備として、多層構造を持つ化合物半導体の劈開面を、光変調トンネル分光法で解析することを試み、p-n接合面での局所バンド構造の観察等に成功した。また、同時に多箇所での光誘起応答を計測することが可能なマルチプローブ系を開発し装置に組み込む予定であるが、現在、ヘッド部を試作し、性能評価を行っている。これまで、原子分解能を持つマルチプローブは開発されておらず、新しい成果が期待される。最後に、来年度、導入する波長可変レーザーを組み込む為の計測系の準備が完了した。これにより、特定の準位を選択的に励起した信号の計測が可能になり、本装置・手法の有効性を広く示すことが可能になるとともに、より詳細な現象の解析が期待される。
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Research Products
(12 results)