2005 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導線材の微細構造電磁現象を基礎とした交流電気機器への応用要素技術の体系化
Project/Area Number |
14102019
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塚本 修巳 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30017975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 尚之 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10222697)
福井 聡 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70293199)
小川 純 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60377182)
|
Keywords | 交流損失 / 交流超伝導線材 / ビスマス線材 / イットリウム線材 / 磁気ナイフ法 / カロリメトリック / 集合導体 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績の概要は以下のとおりである. 1.Bi系線材について引張り応力下での交流損失のデータを得た.その結果,臨界電流I_cの低下が5〜6%程度以下なら,無応力下の交流損失と,I_cの応力依存性がわかれば応力を加えた場合の交流損失を評価できることが判明した.このような測定データはわれわれが始めて取得したものである. 2.非磁性基板のYBCO導体について交流損失の引張り応力および曲げ歪み依存性を測定した.この場合も応力なし,曲げ歪みなしの状態での交流損失と,I_cの応力依存性,曲げ歪み依存性がわかれば,曲げ歪みや引張り応力が加わった場合の交流損失を評価できることが判明した. 3.磁性基板Ho系導体に関して,従来電気的に測定が困難であった外部磁界を加えた場合の磁化損失を,誘導電圧をその場でキャンセルする2重ピックアップコイル法を開発し測定に成功した.測定結果の妥当性は熱量法の測定結果と比較し検証した.また,磁性基板のみの磁化損失を熱量的方法で測定した結果,磁性基板のみの交流損失は超電導導体全体の損失に比較して小さいことが判明した.また,磁性基板導体の通電損失が非磁性基板導体に比べ大きい理由も判明し,磁性基板導体の欠点と考えられた通電損失の増大を抑える方法の見通しを得た. 4.非磁性のYBCO導体を並列に並べると,通電損失が大きく減少することを実験的に確かめ,また,数値解によってもこの現象を明らかにした.この結果は超電導電力ケーブルの交流損失の大幅な低減が可能であることを示すものである. 5.我々が提案しているYBCO薄膜導体の超電導層を細分割し,擬似的な撚りを施し交流損失を低減する方法では分割した超電導層を低抵抗で接続する必要がある.これに関し,超電導層の上に付けられている銀層を拡散接合する方法を導入し,現在,接続方法の最適化を行っている.
|
Research Products
(12 results)