2005 Fiscal Year Annual Research Report
SiGe基板単結晶の低欠陥化と歪みを制御した機能性ヘテロ構造の創製
Project/Area Number |
14102020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 一雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80311554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 徳隆 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20262107)
宇治原 徹 名古屋大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60312641)
宍戸 統悦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50125580)
宇田 聡 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90361170)
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Keywords | シリコンゲルマニウム / バルク結晶 / 歪みシリコン / 逆格子空間マッピング / 分子線エピタキシー |
Research Abstract |
高電子移動度を有するチャネルとして期待されている歪みSi薄膜結晶は、通常、Si基板上に成長したSiGe歪み緩和膜を擬似基板として作製される。SiGeの歪みを緩和するためには、ミスフィット転位の導入が不可欠であり、それに伴う方位揺らぎが、SiGe擬似基板中には存在する。そのような構造の不完全性は、歪みSi薄膜にも継承され、ポテンシャルの空間揺らぎの導入など、電子散乱の要因となりうる。本年度は、これまでに独自の成長手法により作製した高い組成均一性を有するSiGeバルク結晶を基板化し、歪みSi薄膜結晶の成長と構造評価を試みた。 SiGeバルク結晶は、(001)面で切断し、機械研磨とCMP処理を行い基板化した。SiGe基板(Ge組成約0.15)上に、ガスソース分子線エピタキシー法によりSiGeバッファ層と歪みSi薄膜の成長を行った。参照用に、Si基板上にも同様の構造を有する試料の成長を行った。 X線逆格子空間マッピング法により{224}回折近傍の評価を行ったところ、Si基板を利用した場合は、SiGe歪み緩和膜の逆格子点が大きく広がり、歪みSi薄膜に大きな方位揺らぎが導入されていることが示唆された。一方、SiGe基板を用いた場合は、歪みSiの逆格子点の成長面内での広がりは、基板の逆格子点と同程度であり、歪みSi薄膜結晶内の方位揺らぎが、大幅に低減された。更に、ロッキングカーブ測定と、顕微ラマンスペクトルの空間分布の解析からも、歪みSi薄膜における構造ゆらぎの抑制が確認できた。以上の結果より、独自に作製するSiGe基板を利用することにより、構造揺らぎの影響を排除した本質的な物性評価が可能となることが示唆された。
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Research Products
(9 results)