2003 Fiscal Year Annual Research Report
微細気泡を用いた内湾貧酸素水の改善とその効果の長期的予測に関する研究
Project/Area Number |
14102026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯部 雅彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20114374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 淳 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50292884)
佐藤 愼司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90170753)
渡辺 晃 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011138)
五明 美智男 東亜建設工業(株), 技術研究所, 水理環境研究室長(研究職)
鯉渕 幸生 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (60349800)
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Keywords | 微細気泡 / 貧酸素水 / 東京湾 / 水質・生態系 / 底泥微生物構造解析 / 環境復元 / 現地実験 / モニタリング |
Research Abstract |
東京湾をはじめとする内湾では、夏場に恒常的に現れる貧酸素水により、底生生物のへい死をはじめとする生態系の劣化を引き起こしている。本研究では内湾において最も深刻な問題である貧酸素水に着目し、実現可能性のある改善技術に関する基礎的検討とその効果の長期的予測を通して、貧酸素水改善に向けた戦略を提示することを目指している。本年度は微細気泡発生装置を用いた酸素溶解過程に関する室内実験、東京湾京浜運河内における閉鎖系現場実験、および東京湾三番瀬における開放系での長期現場実証実験を実施した。 微細気泡発生装置を用いた酸素溶解過程の実験的検討においては、酸素溶解過程の解明と溶解効率の定量化、要求性能を満たす装置スペックの選定方法、およびシステムの全体設計について検討した。次に現地適用への第一段階として、京浜運河内において閉鎖系実験を行った。この過程で長期運転に耐えうる現地用システムの構築手順と水質モニタリングに基づく環境改善効果の実証方法を検討した。これらの成果をふまえ、本システムの実用化への第一歩として、貧酸素化の著しい夏季の東京湾三番瀬旧船橋航路において一ヶ月間にわたる長期現場実証実験を実施した。微細気泡による直接的な貧酸素水改善効果については、自記式センサーによる水質計測や採水による栄養塩分析によって把握する手法を確立し、水質改善効率の向上に向けた次年度への課題を抽出した。一方、長期的な環境改善の視点から重要となる底質への微細気泡の効果に関しては、CNコーダを用いた底泥有機物含量の変化過程やキノンプロファイル法による微生物群集構造解析によって評価する手法を確立した。以上により、微細気泡発生装置の実海域への適用手法とその水質・底質生態系改善効果の定量的把握のための方法論を確立し、さらに環境改善効果を高めていくための課題を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 佐々木 淳, 小出摩耶子, 長田正行, 柴山知也, 磯部雅彦: "東京湾三番瀬における微細気泡発生装置を用いた青潮水改善効果の数値的検討"海岸工学論文集. 50. 981-985 (2003)
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[Publications] 藤田昌史, 鯉渕幸生, Udin, HASANUDIN, 小倉久子, 藤江幸一, 磯部雅彦: "東京湾における水質動態と底質微生物群集構造の解析"海岸工学論文集. 50. 996-1000 (2003)
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[Publications] Islam Mohammad Shahidul, Masahiko Isobe: "Study on the effect of micro bubble to improve oxygen deficit water"Proc.6^<th> International Conference on Hydrodynamics. (in press). (2004)
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[Publications] 鯉渕幸生, 佐々木淳, 五明美智男, 栗原明夫, 鈴木俊之, 田中真史, 磯部雅彦: "青潮水改善に向けた長期現地微細気泡実験"海岸工学講演会発表予定. (in press). (2004)