2002 Fiscal Year Annual Research Report
要求・保有性能の不確定性を陽に考慮した鋼構造建物信頼性耐震設計法の構築
Project/Area Number |
14102028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 保宏 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (30262877)
吹田 啓一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70206374)
井上 一朗 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40029294)
桑原 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10243172)
川口 淳 三重大学, 工学部, 講師 (50224746)
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Keywords | 鋼構造 / 耐震設計 / 要求性能 / 保有性能 / 不確定性 / 信頼性設計 / 構造実験 |
Research Abstract |
鋼構造建物を対象に、骨組がもつ保有性能とそのばらつき、骨組や部材に要求される性能とその不確定性を定量化し、信頼性理論に立脚した耐震設計方法を提示することを目的とするもので、下記に示す四項目からなる小課題から構成される。 (A)鋼構造梁・接合部が有する塑性変形能力の不確定性の定量化 (B)鋼構造柱が有する塑性変形能力とその不確定性の定量化 (C)地震動その不確定性を考慮した鋼構造骨組の安全確率の定量化とその評価手法の提案 (D)鋼構造部材の破壊を考慮した鋼構造骨組崩壊確率の定量化 平成14年度は上記研究小課題のうち下記を実施し以下の知見を得た。 小課題(A)については、過去10年間に世界各国で実施された実験情報を収集し、それをデータベースとして整備することから、梁・接合部塑性変形能力とその不確定性を接合形式毎に定量化した。また典型的な梁接合部要素に対する動的実大実験を実施し、梁接合部要素がその抵抗力を完全に失うまで(完全破断)の挙動を忠実に記録し、課題(D)への基礎資料とした。小課題(B)に対しては、柱に作用する軸圧縮力の大きさと柱脚形式を変数とした柱要素に対する準静的実大実験を実施し、柱が鉛直荷重保持能力を完全に喪失するまでの挙動を忠実に記録することから、小課題(D)へと展開する資料を得た。小課題(C)については、全世界(とりわけ米国と台湾)で記録された地震動群を収集し、それを地震規模、震源距離、表層地盤条件等に分類し、小課題(C)への布石とした。小課題(D)に関しては、部材破壊を考慮できる弾塑性骨組解析コードの開発に着手し、ボルト破断などによる接合部の耐力劣化特性を再現しうる段階にまで到達した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中島正愛: "繰返し載荷を受けるH形鋼梁の塑性変形能力に及ぼす局部座屈の影響"鋼構造論文集、日本鋼構造協会. 37号(掲載予定). (2003)
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[Publications] Masayoshi Nakashima: "Lateral Instability and Lateral Bracing of Steel Beams Subjected to Cyclic Loading"Journal of Structural Engineering, ASCE. Vol.128 No.10. 1308-1316 (2002)
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[Publications] 中島正愛: "繰り返し載荷を受ける鋼標準梁・RBS梁の必要横補剛条件"日本建築学会構造系論文集. 第556号. 131-137 (2002)
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[Publications] Masayoshi Nakashima: "Generic Frame model for Simulation of Earthquake Responses of Steel Moment Frames"Journal of Earthquake Engineering and Structural Dynamics. Vol.31 No.3. 671-692 (2002)
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[Publications] Masayoshi Nakashima: "Impact of U.S.-Japan Research Using Large-Scale Testing Facilities on Development of Pseudo Dynamic Testing"Proceedings of the US Berkeley -CUREE Symposium in Honor of Ray Clough and Joseph Penzien. 60-61 (2002)