2006 Fiscal Year Annual Research Report
水とイオウ資源を利用した太陽エネルギー変換システムの構築
Project/Area Number |
14103016
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田路 和幸 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (10175474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEYADEVAN B 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (80261593)
篠田 弘造 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10311549)
井上 千弘 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (30271878)
佐藤 義倫 東北大学, 大学院環境科学研究科, 助手 (30374995)
中村 崇 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20112360)
|
Keywords | 太陽エネルギー / 光触媒 / 水素 / 硫化水素 / イオウ循環 / フラーレン / 炭素クラスター / 水 |
Research Abstract |
本年度は、システムの完成を目指し、下記研究事項を総括して研究を推進した。 1.高活性光触媒の開発 本項目は、昨年度までに高活性光触媒の開発とその大量合成法の開発も修了し、システム構築に必要な触媒量が得られるようになっている。本年度は、システム構築のための光触媒セルを中心に研究を行った。その結果、原料である硫化水素を溶かしたアルカリ溶液の効率的利用と発生する硫化水素を効率的に回収できる光触媒セルが完成した。 2.反応副生成物の回収に関する研究 硫化水素から水素を得る場合、副生成物としてイオウクラスターが生成する。この触媒反応を妨害するクラスターの除去のために、アルカリ溶液を劣化することなく回収する方法を開発した。本方法は、物理的方法かつ、イオウクラスターの電荷を利用して回収する方法である。本研究では、電子のホスト物質であり、強アルカリ溶液中で不活性なフラーレン(C60)固体を利用した。フラーレンは、本水溶液条件で分散性が高く、この溶液にフラーレンを投入すると即座に、黄色アルカリ溶液が無色透明になった。さらに、このイオウ含有フラーレンを加熱することにより、イオウとフラーレンが分離可能であることも判明した。この成果により、イオウの回収とアルカリ水溶液の再利用が可能となった。 3.回収硫黄からの原料硫化水素の再生 昨年度まで、イオウ循環を達成させるため、回収イオウと水を水熱条件下で反応させ硫化水素に戻す試みを行っていたが、本年度は、硫酸還元菌を利用した硫化水素の再生に関する研究を行い、メタン発酵と同等、すなわち、硫化水素含有率15%のバイオガスの発生と硫化水素の再生に成功した。 4.発生した硫化水素の濃縮 3.により発生する硫化水素には、CH4やCO2が大量に含まれるため、これを低コストで分離、回収する固体ならびに液体吸着剤の開発を行い、ほぼ100%の濃縮技術が完成した。 このように、水とイオウを用いた太陽エネルギー変換システムが完成した。
|
Research Products
(23 results)