2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14104006
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 和夫 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80162931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 健二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30208954)
松下 範久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (00282567)
奈良 一秀 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助手 (60270899)
山田 明義 信州大学, 農学部, 助教授 (10324237)
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Keywords | 根圏 / 生物共生機能 / 外生菌根菌 / マツ林 / マツタケ |
Research Abstract |
本研究は、根圏共生系における生物共生関係の解明を目指し、マツタケなどの外生菌根について以下の成果が得られた。 1、森林における根圏共生系 富士山火山荒原のベニバナイチヤクソウの分布状況を調べたところ、全ての個体が外生菌根性の先駆樹種であるミヤマヤナギに伴われていた。現在、DNA解析によって菌根菌群集について解析を行っている。 2、根圏共生系と環境ストレス (1)都市化と菌根菌相:天然林、都市近郊林、都市林の比較から、都市化によって林分構造が単純化すると、菌根菌子実体の発生が減少し、シロハツモドキなど特定の菌根菌のみが発生する傾向が認められた。 (2)縞枯現象と菌根菌相:縞枯林における菌根菌組成は、撹乱直前のオオキツネタケからシーノコッカムへと遷移し、このことは主に土壌の根密度と葉量によって影響を受けることが明らかにされた 3、アカマツーマツタケ共生系 (1)アカマツーマツタケ共生系と光量:マツタケまたはキツネタケの培養菌糸体をアカマツ実生苗に接種し、異なる光環境下で3ヶ月間培養を行った。その結果、マツタケを接種した実生苗では強い光条件下でのみ成長が促進され、キツネタケでは光の強さに関係なく成長が促進された。このことから、マツタケは一定量以上の光量が共生系を効率的に発達させるために必要であることが明らかにされた。 (2)マツタケ菌糸成長と水ポテンシャル:rDNA-IGSIタイプの異なるマツタケ6菌株を用いて、菌糸成長に及ぼす水ポテンシャルの影響について調べた。その結果、アカマツが健全に生育する土壌水分条件であれば、マツタケの菌糸の成長には影響がないものと推測された。 4、菌根生物間の相互作用 無葉緑植物のシャクジョウソウとギンリョウソウ種子をアカマツ菌根苗に接触させた結果、これらの植物の種子発芽には特定の菌根菌の存在が必要なことが明らかにされた。
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Research Products
(7 results)