2002 Fiscal Year Annual Research Report

高等動物の神経発達に対する内分泌撹乱化学物質の影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number	14104020
Research Institution	The University of Tokyo
Principal Investigator	吉川泰弘東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80109975)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	局博一東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30142095) 土井邦雄東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612) 久和茂東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30177943) 中山裕之東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891) 西原眞杉東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
Keywords	ビスフェノールA / TCDD / カニクイザル / 妊娠 / サル類ES細胞 / 神経細胞 / 行動 / ラット
Research Abstract	カニクイザルを用いて妊娠サルにBPA投与を行い、出生後の母子行動解析、知能検査のための指迷路試験、新奇場面の行動解析のための出会わせ試験、アイコンタクト試験のプロトコルを作成し、TCDD投与個体を用いて予備的評価を行った。またBPA投与群に関しては、母子行動解析を始めた。BPAの妊娠母体、及び胎児への移行、さらに母体・胎児での排出能を調べるため、アイソトープラベルのBPAを用いて、異なる妊娠時期での体内動態を検索中である。ラット、サル類胎児培養神経系に及ぽす環境化学物質の影響評価。ラット14日齢胎児神経系細胞の培養を用いて、DES,エストロジェンを陽性コントロールとしてBPA, NPのプログラム細胞死に対する影響を評価した。BPA, NPはエストロジェンと同様に、薬物誘発の神経細胞死を保護する効果がみられた。しかし、その作用は大脳皮質神経細胞と海馬神経細胞では異なっており、BPA, NPはエストロジェン作用とは別の回路を介しても、神経細胞死の防御に影響している可能性が考えられた。 BPA長期投与カニクイザルの代謝について検討を進めた。BPAを妊娠カニクイザルに皮下埋没ポンプにて持続投与し、BPA母体血中濃度(6例)を測定した。測定は、LC/MS/MSを用いて行った。BPA誘導体化物質の定量限界は血清100μLを用いて、0.1ng/mLであった。BPA投与群の2例は定量限界以下であった。残り4例の血中BPA濃度は0.133〜0.279ng/mLであった。ヒトに近縁なカニクイザルのES細胞の培養系を用いて、初期胚の分化に及ぼす環境ホルモンの影響を細胞および遺伝子発現レベルで評価するシステムの開発を進めた。多分化能を有するカニクイザルのES細胞株(CMK-6)の継代培地からフィーダー細胞を除去し、Embryo body(EB)を形成させた。培養3、7、16日目のEbsまたはEbcの形成率は無添加対照群に比べて、BPA添加群で増加する傾向が見られた。BPA添加群でEBの形成率が高いという結果は、ES細胞の初期分化がBPAで抑制された可能性を示している。

Research Products

(7 results)

All Other

All Publications (7 results)

[Publications] Negishi, T., Ishii, Y., Kawamura, S., Kuroda, Y., Yoshikawa, Y.: "Cryopreservation and primary culture of cerebral neurons from cynomolgus monkyes"Neurosci. letters. 289. 21-24 (2002)
[Publications] Negishi, T., Ishii, Y., Kawamura, S., Kuroda, Y., Yoshikawa, Y.: "Cryopreservation of brain tissue for primary Culture"Exp. Anim. 51. 383-390 (2002)
[Publications] Lee, WW., Nam, KH., Terao, K., Yoshikawa, Y.: "Age-related telomere length dynamics in peripheral blood mononuclear cells of healthy cynomolgus monkeys measured by flow FISH"Immunology. 105. 458-465 (2002)
[Publications] Hatta, Y., Kanai, T., Matsumoto, Y., Kyuwa, S., Hayasaka, I., Yoshikawa, Y.: "Analysis of cDNA coding MHC class IIbeta chain of the chimpanzee(Pan troglodytes)"Exp. Anim. 51. 133-142 (2002)
[Publications] 吉川泰弘: "動物実験と福祉"アニテックス. 15. 18-22 (2003)
[Publications] 吉川泰弘: "生命科学と実験動物"学術の動向. 9月号. 31-34 (2002)
[Publications] 吉川泰弘他: "感染症の診断・治療ガイドライン(野兎病)"日本医師会編医学書院. 359 (2002)

2002 Fiscal Year Annual Research Report

高等動物の神経発達に対する内分泌撹乱化学物質の影響に関する研究

Principal Investigator

吉川 泰弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80109975)

Research Products

[Publications] Negishi, T., Ishii, Y., Kawamura, S., Kuroda, Y., Yoshikawa, Y.: "Cryopreservation and primary culture of cerebral neurons from cynomolgus monkyes"Neurosci. letters. 289. 21-24 (2002)

[Publications] Negishi, T., Ishii, Y., Kawamura, S., Kuroda, Y., Yoshikawa, Y.: "Cryopreservation of brain tissue for primary Culture"Exp. Anim. 51. 383-390 (2002)

[Publications] Lee, WW., Nam, KH., Terao, K., Yoshikawa, Y.: "Age-related telomere length dynamics in peripheral blood mononuclear cells of healthy cynomolgus monkeys measured by flow FISH"Immunology. 105. 458-465 (2002)

[Publications] Hatta, Y., Kanai, T., Matsumoto, Y., Kyuwa, S., Hayasaka, I., Yoshikawa, Y.: "Analysis of cDNA coding MHC class IIbeta chain of the chimpanzee(Pan troglodytes)"Exp. Anim. 51. 133-142 (2002)

[Publications] 吉川泰弘: "動物実験と福祉"アニテックス. 15. 18-22 (2003)

[Publications] 吉川泰弘: "生命科学と実験動物"学術の動向. 9月号. 31-34 (2002)

[Publications] 吉川泰弘他: "感染症の診断・治療ガイドライン(野兎病)"日本医師会編 医学書院. 359 (2002)

吉川泰弘東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80109975)

[Publications] 吉川泰弘他: "感染症の診断・治療ガイドライン(野兎病)"日本医師会編医学書院. 359 (2002)