2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14104024
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
相賀 裕美子 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (50221271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 博樹 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (10270480)
高橋 雄 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (60321858)
北嶋 聡 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (30270622)
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Keywords | Mesp1 / Mesp2 / 心臓形成 / 体節形成 / Notchシグナル系 / hesr1 / hesr2 |
Research Abstract |
この研究では2つのテーマに取り組んでいる。まず第1のテーマ、初期中胚葉から由来する心臓、血管系の発生、分化の解析に関して、今年度はNotchシグナルの下流因子として知られていたbHLH型転写抑制因子hesr1,hesr2の心臓形態形成における機能解析を遺伝子の強制発現系を用いて解析した。野生型マウスでは、hesr1は心房に、hesr2は心室特異的に発現する。そしてその心房心室境界部においてはどちらの遺伝子の発現もない。我々はこれまで、hesr1,hesr2のノックアウトマウス及びhesr1,hesr2ダブルノックアウトマウスを解析してきたが、心房心室、および境界部形成に及ぼすhesr遺伝子の機能は明確になっていなかった。今回心臓特異的にこれらの遺伝子を強制発現することにより、心房心室境界の形成が抑制されることが明らかになった。 テーマ2では、我々は、Mesp2 proteinの機能的ドメインを決定するための実験を行った。まず培養細胞系を用いてMesp2の分解経路について調べた。その結果、Mesp2がプロテオゾーム系で分解されること、C末端に近い領域にMesp2の分解を促すドメインが存在することを発見した。この領域を欠損させ安定化を促したMesp2ΔDをknock-in(KI)したマウスを作成し、同様のストラテジーで作成した野生型Mesp2のKIマウスのMesp2 proteinと比較した結果、Mesp2ΔD proteinはin vivoで確かに安定化しており機能も保持していた。また核局在シグナル(NLS)とbHLH+ Dドメインのみで構成されたMesp2のKI mouseを作出したところ、このマウスは頸椎、胸椎そして肋骨の一部が癒合は見られたが、Mesp2 KOで見られるような腰椎、仙椎、尾椎における癒合は見られなかった。また、このMesp2 HD KIにおいてファミリータンパク質であるMesp1の発現量が増大しており、しかも腰椎、仙椎、尾椎の形成される時期のMesp1は特に増えていたことから、Mesp1によって機能が補われている可能性も示唆された。
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Research Products
(4 results)