2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14104024
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
相賀 裕美子 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (50221271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 博樹 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (10270480)
高橋 雄 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (60321858)
北嶋 聡 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (30270622)
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Keywords | 心臓形成 / 房室境界 / 体節形成 / Hesr2 / Mesp2 / EphA4 / Ripply2 |
Research Abstract |
テーマ1に関して、Hesr1とHesr2の心臓の心房・心室領域特異化における役割を明らかにするためにCre-LoxPシステムを利用して心臓血管系にHesr1、Hesr2を継続的に発現させた結果、房室境界領域が消失することが観察された。房室境界領域の形成には特異的に発現する液性因子Bmp2が様々な因子の発現を誘導し、誘導される因子の中でTbx2が房室管で心筋特異的遺伝子発現を抑制することが示唆されていた。そこで、房室境界領域特異的に発現するこれらの因子との関係を調べたところ、Hesr1及びHesr2がTbx2の発現を抑制することが明らかになった。これらの結果から、Hesr1及びHesr2が房室管形成に対して抑制的に働いて、房室境界領域の決定・維持に重要な働きをすることを示した。 テーマ2に関しては、Mesp2の下流遺伝子解析に大きな進展が見られた。まずMesp2のノックアウトマウスで、EphA4の遺伝子発現が完全に消失することから、Mesp2がEphA4の発現を直接または間接的に制御していると考えた。そこで、マウスEphA4遺伝子の発現制御領域をトランスジェニックマウスを用いて探索し、転写開始点の上流9.5kb〜10.0kbの領域に体節における発現を担うシス領域を同定し、さらにこのシス領域にMesp2が結合する可能性を示した。 また、Mesp2ノックアウトマウスのマイクロアレイ解析を行ない、ノックアウトマウスで著しく発現が減少するいくつかの遺伝子を同定した。その中の一つRipply2は発現がMesp2と酷似しており、実際にMesp2によって正に制御されていた。しかし興味深いことにそのノックアウトマウスはMesp2と逆の表現形をしめし、実はこの分子はMesp2の負の制御因子であることがわかった。したがって、Mesp2-Ripply2というnegative-feedback系が体節の分節化を制御していることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)