2003 Fiscal Year Annual Research Report
死者と追悼をめぐる意識変化-葬送と墓についての統合的研究-
Project/Area Number |
14201004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 岩弓 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50154521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 謙二 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90113282)
栗原 弘 名古屋文理大学, 情報文化学部, 教授 (60319390)
孝本 貢 明治大学, 商学部, 教授 (60101333)
新谷 尚紀 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (80259986)
槙村 久子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (30259551)
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Keywords | 死者 / 追悼 / 墓 / 葬送 / 慰霊 / 摩文仁の丘 / 戦没者 / 現代日本 |
Research Abstract |
本年度も、(1)共同研究と(2)個人研究の二本立てで研究を行った。 (1)共同研究 この研究では、以下の二つの研究課題に沿った研究を実施した。 (1)「死者と追悼に関する現代人の意識調査」 昨年度に実施したプリテストの結果を参考に、全国調査を実施した(調査委託:(社)新情報センター)。全国333地点から抽出したサンプル総数2000に対して意表調査を行い、有効回答1409を得た。7月以降その成果を分担して分析し、森・村上・鈴木が以下の「11」にあげた『寺門興隆』において速報的な報告を行った。 (2)「摩文仁の丘」慰霊碑群調査 昨年度に実態調査を行った、摩文仁の丘を中心とした沖縄県にある全国各県単位の慰霊碑群の記載内容の整理を行い、10月までに完了した。そのような慰霊碑建立に関する各県の経緯に関しては、昨年度と同様、本プロジェクト参加者が手分けし、各県県庁の援護課などと各県遺族会などに対する聞き取り調査を実施しており、来年度前半までに日本全国の都道府県に対する調査をすべて完了する予定である。 (2)個人研究 個人研究は、本共同プロジェクトの裾野を固める意味で、各研究者の個人的計画に基づき概略以下のように実施された。鈴木は遺影を飾る習俗に着目し、モンゴルやインドネシアの事例と比較しながら、東北地方を中心にその実態把握のためのアンケート調査を実施した。孝本は研究協力者の粟津賢太とともに特攻隊の慰霊碑調査を実施した。栗原は全国の主な大名墓の調査をほぼ完了し、そこに葬られているのが誰かといった観点からの分析を行い、その成果を公にした。森は官報を手がかりとした無縁墳墓の改葬実態に関する調査を継続し、槇村は家族変化の観点に近代化・都市化の問題を絡めてアジアにおける墓制に見られる共通パターンの抽出を目指した調査を行った。また新谷は奈良県に見られる郷墓の実態調査を継続し、谷川は近世考古学の立場から江戸市中に見られる村落における墓地の発掘調査を、村上は井下清の霊園造営思想に関する文献学的研究を、山田は岩手県の事例を手がかりに遺影祭祀の実態調査を、そして土居は新宗教教団における戦没者慰霊の実態調査を、主に金光教を事例に調査した。何れも予定通りに研究が進んでおり、来年度中には成果のまとめが出される予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 森 謙二: "全国調査「葬送と墓の意識」でわかったこと(1)墓地問題"寺門興隆. 5-11. 72-81 (2003)
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[Publications] 村上興匡: "全国調査「葬送と墓の意識」でわかったこと(2)葬式のあり方"寺門興隆. 5-12. 73-81 (2003)
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[Publications] 鈴木岩弓: "全国調査「葬送と墓の意識」でわかったこと(3)宗教意識"寺門興隆. 6-1. 91-99 (2004)
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[Publications] 山田慎也: "越境する葬儀-日本におけるエンバーミング"篠原徹編『越境 現代民俗誌の地平』朝倉書店. 37-53 (2003)
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[Publications] 土居 浩: "風景の見巧者になるためにも先達はあらまほしき事なり"まほら. 38. 44-45 (2004)
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[Publications] 土居 浩: "御霊に会う場所-霊性のトポグラフィティ"呪術探究. 巻の一. 2-24 (2003)
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[Publications] 孝本 貢: "特攻隊の心情世界"明治大学商学部孝本研究室. 105 (2003)