2003 Fiscal Year Annual Research Report
介護体験の構造:在宅介護支援効果の最大化に関わる要因の探求
Project/Area Number |
14201025
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
高橋 龍太郎 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・介護・生活基盤研究グループ, 参事研究員 (20150881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深谷 太郎 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・疫学・福祉・政策研究グループ, 研究助手 (80312289)
須田 木綿子 東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)
園田 恭一 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20009898)
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Keywords | 国際研究者交流 / 介護保険 / 社会福祉学 / 質的研究 / 介護負担 / 家族関係 / 介護支援専門員 |
Research Abstract |
要介護高齢者の介護体験の構造と在宅生活支援の方策を明らかにするために、東京都葛飾区において訪問面接法によるアンケート調査(統計調査)および、インタビューに基づく質的調査を行なった。高齢者の在宅療養と家族の役割については地域特性も大きく関与すると推察されたため、秋田県大館市・田代町においても同様の調査を実施した。葛飾区では、協力回答の得られた1057名のうち高齢者695名(65.75%)から、主介護者655名(61.97%)から有効回答を得た。大館市・田代町では520名から協力回答が得られ、高齢者390名(75.0%)、主介護者381名(73.27%)から有効回答を得た。両地域の母集団と有効回答が得られた対象者を要介護度について比較したところ有意な差はみられず、要介護度に関して対象者は母集団の特性を代表しているといえよう。 統計調査の回答者の中から、協力の得られた29組(葛飾14組、大館・田代15組)の高齢者と主介護者に、インテンシブなインタビューに基づく質的研究を行った。インタビューの内容は対象者の了解を得てテープに録音し、逐語的に書き起こしたものを分析の対象とした。本研究は、今回の調査対象者を縦断的に追跡する計画であり、今回の調査はその第1回目の調査として重要な意義を持つ。 その結果、高齢者の在宅療養の過程は、社会的地域的特性やわが国固有の介護に対する考え方と密接に関連しており、さらにそれら諸要因の相互関係は、介護保険制度という新しいシステムの影響を受けながら、介護保険制度のあり方を規定する要因としても作用している実態が明らかとなった。平成16年1月末、ミシガン大学において米国共同研究者と合同ワークショップを開催した。今後、公的サービスの影響、介護者と要介護者の認識の一致・不一致、介護体験の肯定的側面、健康度・栄養・認知機能の関与、などについて詳細に検討する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takahashi R(Takahashi R): "His-story as a dimension of the present"Journal of American Geriatric Society. 52・6(In press). (2004)
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[Publications] Takahashi R(Ohshima H): "Approaches of nursing care for stroke patients with right brain damage : Focusing on agnosia and apraxia"Nursing and Health Sciences. 6・2. 115-121 (2004)
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[Publications] 高橋龍太郎: "高齢者の疾病と栄養改善へのストラテジー(高橋龍太郎, 齊藤昇編著)"第一出版. 552 (2003)
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[Publications] 高橋龍太郎: "老いのこころを知る(柴田博, 長田久雄編)"ぎょうせい. 233 (2003)
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[Publications] 高橋龍太郎: "高齢者看護学(小玉敏江, 亀井智子編)"中央法規出版. 359 (2003)