2002 Fiscal Year Annual Research Report
西洋の歴史に見る「グローバル・スタンダード」と「ローカル・アイデンティティ」
Project/Area Number |
14201041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
芝井 敬司 関西大学, 文学部, 教授 (00144311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 きく代 関西学院大学, 文学部, 教授 (80207084)
大戸 千之 立命館大学, 文学部, 教授 (30066708)
飯田 収治 関西学院大学, 文学部, 教授 (70047116)
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
中井 義明 同志社大学, 文学部, 教授 (70278456)
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Keywords | グローバリズム / ローカリズム / アイデンティティ / スタンダード / ヨーロッパ / 西洋史 / 文明 / コスモポリタニズム |
Research Abstract |
本研究の初年度にあたる平成14年度は、今後の研究の進展を見据えつつ、まずは全体課題および各メンバーの役割分担に即して、設備備品費と消耗品費を用いて、必要な機器の購入、基礎資料と研究文献の購入と読解に積極的に取り組んだ。 研究会活動としては、平成14年6月23日(関西学院大学)、同年10月12日(関西大学)、平成15年1月25日(同)と、3回の全体研究会を行い、研究課題についての総括討論、研究計画の周知や調整を含めながら、のべ8人の研究報告を行った。また、今回組織した各研究班でも、広範にメールを用いた研究情報のやりとりや見解表明と批判・応答をしながら研究活動を展開した。古代・中世班では11月10日(同志杜大学)に独自に会合を持ち、研究報告をめぐって真剣なディスカッションを行った。 夏季には、4人のメンバーが外国旅費を使用してそれぞれの分担テーマに関する資料収集や学術調査を行った。一例をあげれば、中谷功治はトルコのゲミレル島の発掘調査に参加し、その最新の成果に基づき、10月12日の全体研究会で、多量の写真等の資料を配布した詳細な研究報告を行った。まだ発掘調査が進行中のために留保をつけつつも、中谷は、この島が一時期大規模な宗教センターとして機能し、一見きわめてローカルな特徴を有しつつも近隣のみならず遠方より巡礼者を集める宗教的スタンダードの体現者であった可能性を示唆した。 その他の研究報告についても、本研究課題に関して大いに示唆を与えるものであり、その一部はすでに別記のとおり研究成果として発表されている。その他、投稿中や準備中のものが多くに上り、旺盛な研究活動を展開している。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 中井義明: "イオニア反乱の原因"人文学. 第172号. 35-59 (2002)
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[Publications] 中井義明: "アテナイ帝国と神話、宗教そして祭典"人文学. 第173号. 55-83 (2003)
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[Publications] 中村仁志: "イヴァンゴロドの建設をロシアのバルト政策"東西学術研究所紀要. 第36輯(印刷中). (2003)
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[Publications] 小田内隆: "『紀元千年の恐怖』再考"西洋史論叢. 第24号. 23-35 (2002)
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[Publications] 中谷功治: "タグマについて-8世紀ビザンツにおける近衛連隊の誕生-"関西学院史学. 第30号. 95-115 (2003)
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[Publications] 朝治啓三: "Associations and Identities in Medieval England, Moderator's Note"熊本大学教育学部紀要. 第51号. 92-93 (2002)
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[Publications] 朝治啓三: "1215-50年の王権、諸侯特権そして王国共同体"関西大学文学論集. 第52巻第4号. 1-46 (2003)
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[Publications] 飯田収治: "人の移動の「道」をめぐる言説-19世紀末、マクス・ヴェーバーの東エルベ農業労働者実態報告を中心に"関学西洋史論集. 第26号. 21-27 (2003)
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[Publications] 浅香正: "『エリュトゥラー海案内記』について"シルクロード学研究叢書. 第6号. 59-86 (2002)
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[Publications] 浅香正: "ギリシア・ローマの神々、キリスト教と草花-16(1)復活のシンボル においすみれ"華道. 第64巻第4号. 42-43 (2002)
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[Publications] 浅香正: "ギリシア・ローマの神々、キリスト教の草花-17(2)カンタペリ大聖堂巡礼の象徴 カンパヌラ"華道. 第64巻第5号. 42-43 (2002)
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[Publications] 浅香正: "ギリシア・ローマの神々、キリスト教の草花-18(3)悲恋の草花 ラヌンクルス"華道. 第64巻第6号. 42-43 (2002)
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[Publications] 浅香正: "ギリシア・ローマの神々、キリスト教の草花-21(4)永遠の生命・殉教者の勝利のシンボルなつめやし"華道. 第64巻第9号. 42-43 (2002)
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[Publications] 浅香正: "古代ローマ都市ポンペイの埋没と蘇生"上智史学. 第47号. 203-211 (2002)
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[Publications] 芝井敬司(共著): "「『書く歴史』から『考える歴史』へ」『新版新しい史学論』"昭和堂. 246 (2002)
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[Publications] 山田史郎(共著): "「アメリカ白人の形成」『アメリカの歴史』"有斐閣. 339 (2002)
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[Publications] 高橋秀寿(共著): "「レイシズムとその社会的背景」『国際社会(4)マイノリティと社会構造』"東京大学出版会. 234 (2002)
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[Publications] 高橋秀寿(共著): "「ナチズムを、そして二〇世紀を記憶するということ」『ナチズムのなかの二〇世紀』"柏書房. 329 (2002)
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[Publications] 高橋秀寿(共著): "「ナショナルな音楽、越境する音楽」『現代社会とナショナル・アイデンティティ』"立命館大学人文科学研究所. 97 (2002)
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[Publications] 服部伸: "「治療師の養成・資格制度-ハイルプラクティカ-資格への道-」『近代ドイツ=資格社会の展開』"名古屋大学出版会. 370 (2003)