琉球列島における農耕社会形成過程の解明に向けた実証的研究-5〜7世紀を中心に

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14201043
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 木下 尚子 熊本大学, 文学部, 教授 (70169910)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 杉井 健 熊本大学, 文学部, 助教授 (90263178) ; 小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 助教授 (80274679) ; 甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717) ; 高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 教授 (40258752) ; 黒住 耐二 千葉県立中央博物館, 上席研究員 (80250140)
• Keywords: 安良川遺跡 / ナガラ原東貝塚 / 自然遺物 / コラムサンプリング / 根成孔隙 / 兼久式土器 / ヤコウガイ / 5-7世紀

Research Abstract

1.安良川遺跡調査の実施
2003年4月26日から5月4日まで、鹿児島県大島郡笠利町用(奄美大島)所在の安良川(アラゴー)遺跡において、調査を実施した。発掘調査は笠利町教育委員会が主体で行ない、これに合わせて、植物、貝類、脊椎動物遺体のコラムサンプリングを実施した。また考古学的な補充調査を、科学研究費で実施した。
2.研究会の開催
2003年5月3日、笠利町立歴史民俗資料館において研究会を開催した。発掘調査成果の整理・報告方法、研究内容、本年度の研究計画、共同研究の今後の方針について検討した。参加者:黒住耐二、高宮広土、樋泉岳二、中山清美(笠利町教育委員会)、岸本義彦(沖縄県教育委員会)、新里亮人(熊本大学)、木下尚子
3.ナガラ原東貝塚における根成孔隙調査の実施
2003年11月22日から11月25日まで、根成孔隙の有無を確認する作業を実施した。参加者:徳永光一(もと岩手大学)、佐々木長市(弘前大学農学生命科学部)、佐藤幸一(北里大学獣医畜産学部)、木下尚子
4.『先史琉球の生業と交易(改訂版)』の刊行
昨年刊行した報告書の報告内容について、イネの所属年代を改変する必要が生じたので、その年代測定報告を補充し、英語、中国語、韓国語訳を加えた改訂版を作成した。

Research Products

• [Publications] Naoko Kinoshita: "Shell Trade and Exchange in the Ryukyu Archipelago"Bulletin of the Indo-Pacific Prehistory Association. vol.23. 67-71 (2003)
• [Publications] 木下 尚子: "琉球史のダイナミズム"考古学ジャーナル. 507. 3-3 (2003)
• [Publications] 木下 尚子: "正倉院宝物の考古学"週刊朝日百科 日本の歴史. 古代 9. 274-274 (2003)
• [Publications] 木下 尚子: "東アジアの貝珠文化"東アジアと日本の考古学. 3. 219-260 (2003)
• [Publications] 甲元 眞之 ほか: "考古学資料としての種子研究の現状と課題"九州・極東地域における植物種子研究の現状と課題. 1-3 (2003)
• [Publications] 小畑 弘己 ほか: "ドングリの同定法について"九州・極東地域における植物種子研究の現状と課題. 4-21 (2003)
• [Publications] 木下 尚子 ほか: "種子島 広田遺跡"鹿児島県歴史資料センター黎明館、広田遺跡学調査研究会. 413 (2003)