2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14201050
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
落合 博志 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 助教授 (50224259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 雅彦 国文学研究資料館, 名誉教授 (20044729)
雲英 末雄 早稲田大学, 文学部, 教授 (70046572)
大橋 正叔 天理大学, 文学部, 教授 (30090723)
岡本 勝 中部大学, 人文学部, 教授 (90024059)
市古 夏生 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (90131515)
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Keywords | 出版年表 / 叡山文庫 / 石水博物館 / 出版文化 / 寛永文化 |
Research Abstract |
本研究は江戸時代初期、文禄から明暦末年までの約60年間に出版された全書籍の出版年表を作成することが目的である。最終年度の17年度においても、前年と同様の調査・研究を行った。 1.全国の図書館の蔵書目録、古書店の販売目録、その他各種展示図録等から、文禄から明暦末年までに出版された文献の情報を追加採集した。 2.上記所蔵情報をもとに、実地に当該文献の調査を行い、刊記を中心とする書誌情報を採録し、また刊記の写真の収集に努めた。本年度においては、大谷大学図書館、石水博物館、叡山文庫、瑞光寺、最明寺、日光天海蔵などの調査を行ったが、特に叡山文庫は天海蔵、真如蔵などの文献を600点以上も調査することができた。また、国文学研究資料館の新規購入図書の書誌調査も行った。 四年に亘る書誌調査の結果は、まだ未確認の文献を残してはいるが、報告書に採録した書目は文禄慶長25年間で359件、元和寛永29年間で1,824件、正保慶安8年間で1,415件、承応明暦7年間で930件、合計69年間で4,528件である。この有刊記本の調査はほぼ8割程度の完成度ではあるが、この出版年表を眺めるだけで、本屋の出版活動の具体相、古活字版の趨勢、京都中心の文化状況の中での江戸版、大坂の出版、地方における出版の状況、相間板、また付訓点漢文体本文の流行、絵入り本の流行などの具体相が見てとれる。これらについては研究論文で詳述する予定であるが、今後この研究の継続として、江戸時代初期無刊記本の調査研究、五山版を中心とする中世出版文化の研究、元禄末年までの江戸初期出版年表の作成などを積極的に推し進める計画である。
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Research Products
(3 results)