2005 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア社会の法と近代化-法整備支援と法の支配可能性の検証-
Project/Area Number |
14202001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
棚瀬 孝雄 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80022424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 浩明 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60114568)
松岡 久和 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30165782)
和田 仁孝 早稲田大学, 大学院法務研究科, 教授 (80183127)
季 衛東 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70224889)
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Keywords | 中国 / 法意識 / 近代化 / 法の支配 / グローバリゼーション / 日中の契約実務 / 世論と法 |
Research Abstract |
平成17年度は、これまで行ってきた研究会を継続的に開くほか、中国で法意識調査を行った。まず研究会活動では、中国から、世論と公共圏の関係を研究している許教授や、環境問題で研究のみならず実務的にも指導的な立場にある王教授、また、北京で、日本関係の法律事務を扱う弁護士で一番ぐらい有名な胡弁護士などを呼んで、話を聞き、討論を行った。また、研究メンバーからの報告を聞いたこともあった。特に、現在、急速な経済成長とともに、多くの問題が噴出してきている中国で、私たち日本にいる者にも同時代的な悩みと感じられるようなものも多く、深い議論が行えた。 また、法意識調査は、前にこの科学研究費補助金で行った日本の調査と対になるもので、法に対する意識が現在どのように変わってきているのかを探るものである。理論的な関心は、近代化にとって西洋的な法を継受することが中国社会にとって不可欠な要請であるが、それはどのようにして一般人のレベルでその日常的な規範意識の一部となって受容されるか、ということである。中国が抱えている特殊的、近代的な法の支配とは秩序原理を異にする前近代的なもの、アジア的なもの、そして、社会主義的なものがどのように法の受容と葛藤するか、人々の意識を通じて探ろうと考えて実施した。 年度末には、研究会の中で特に興味深かった報告と、法意識調査の分析を集めて報告書を作った。さらに、中国の法意識調査については、より深い分析をして出版する準備を今進めている。
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Research Products
(22 results)