2002 Fiscal Year Annual Research Report
溶解する法システムの21世紀的統合に向けた法戦略-行政・市場・生活の比較研究-
Project/Area Number |
14202006
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 克己 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20013021)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 信久 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10009847)
村上 裕章 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20210015)
亘理 格 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30125695)
道幸 哲也 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10001827)
稗貫 俊文 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70113610)
|
Keywords | 行政手法 / 情報公開 / 競争政策 / 知的財産 / 消費者 / 社会連帯 / 公共性 / 市場 |
Research Abstract |
現代社会を構成する政治=行政、経済=市場、生活=消費という3つのサブ・システムの内部変化と外部変容(相互関係の変化)を、実定法学の観点から、構造的・総合的に把握しようとする本プロジェクトは、当初の予定通り、本年度は各班ごとに個別的な検討を行って下記の成果を上げ、また全体的研究集会において分析視角のすり合わせを行った。 《政治=行政班》では、亘理が行政手法を、村上が情報公開を、それぞれ検討し、成果を上げた(亘理格「フランスのPFI的手法」会計検査研究25号119-139頁、村上裕章「国境を越えるデータ流通と個人情報の保護」『情報社会の公法学』321-351頁)。 《経済=市場班》では、稗貫と田村が競争政策及び知的財産に関する検討を進め(稗貫俊文「知的財産権と市場支配力」『経済法講座1』310-348頁、田村善之「効率性・多様性・自由」法哲学年報2001年号38-50頁)、瀬川が市場で行政が果たすべき役割とその消費者に対する影響を検討した(瀬川信久「2つのO-157判決」判夕1107号,69-75頁)。 《生活=消費班》では、瀬川の問題関心も視野に入れつつ、池田が内閣府の「消費者組織に関する研究会」に参加し、消費者団体の団体訴権に関する立法提言を行い(同研究会に関する内閣府のホームページ参照)、潮見はドイツ法の現況を検討した(潮見佳男「2002年のドイツにおける医薬品被害賠償責任に関する規定改正」『現代民法学の理論と課題』423-446頁)。他方、労働環境や生活保障に関する検討も行われた(道幸哲也「不当労働行為法理の基本構造』(北大図書刊行会)、倉田聡「社会連帯の在処とその規範的意義」民商法雑誌127巻4=5号612-641頁)。 最後に研究代表者である吉田が本研究の綱領的成果を上げるとともに(吉田克己・「民法学と『公共性』の再構成」創文444号1-5頁)、全体集会で今後の研究の指針を堤示した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 亘理 格: "フランスのPFI的手法-『公役務の委任』(Delegation de service public)を素材に"会計検査研究. 25号. 119-139 (2002)
-
[Publications] 村上 裕章: "国境を越えるデータ流通と個人情報保護-欧州連合個人データ保護指令の第三国条項を手がかりとして-"情報社会の公法学(信山社). 321-351 (2002)
-
[Publications] 稗貫 俊文: "知的財産権と市場支配力3-高額ロイヤリティ設定・ライセンス拒絶・競争の実質的制限"日本経済法学会編「経済法の理論と展開」経済法講座第1巻. 310-348 (2002)
-
[Publications] 瀬川 信久: "2つのO-157判決"判例タイムズ. 1107号. 69-75 (2003)
-
[Publications] 潮見 佳男: "2002年のドイツにおける医薬品被害賠償責任に関する規定改正-被害者の立証責任の転換と情報提供請求権の新設"現代民法学の理論と課題(第一法規). 423-446 (2002)
-
[Publications] 倉田 聡: "社会連帯の在処とその規範的意義-社会保障法における『個人』と『国家』そして『社会』"民商法雑誌. 127巻4=5号. 612-641 (2003)
-
[Publications] 道幸 哲也: "不当労働行為法理の基本構造"北大図書刊行会. 256 (2002)