2003 Fiscal Year Annual Research Report
数理ファイナンスのための統計理論と時系列分析による検証
Project/Area Number |
14203003
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山本 拓 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50104716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斯波 恒正 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90187386)
高橋 一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70154838)
早川 毅 富士大学, 大学院・経済・経営システム研究科, 教授 (00000183)
黒住 英司 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00332643)
田中 勝人 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40126595)
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Keywords | 非定常VARモデル / Wald検定 / 信用スプレッド / 裁定価格理論 / MCMC手法 / 共和分 / 構造変化 / ウェーブレット |
Research Abstract |
1 非定常VARモデルにおけるGrangerの因果関係の検定問題について、Short-runの場合とLong-runの場合についてまとめた。ともにWald検定統計量の退化の問題を、Kurozumi(2002)のランク検定の方法を有効に用いて、一般化逆行列の方法により克服した点に特徴がある。 2 Duffie and Singleton(1999)の方法を使って、流動性に基づくスプレッドを説明するモデルをきちんと導出した。実証面では、昨年来研究代表者と大学院生で格付別の社債のイールドカーブの推定を行った。実証面では、昨年来研究代表者と大学院生で格付別の社債のイールドカーブの推定を行った。 3 裁定価格理論(APT)におけるリスク・プレミアを時系列的に変動するモデルに再構成し、それをベイズ的に推定するプロジェクトを研究した。この予備段階としてベイズ的推定のMCMC手法に関するノートも書いた。 4 確定的トレンドを伴うモデルにおいて、共和分行列の部分行列の階数に関するカイ2乗検定、および、共和分行列の識別に関する検定を導出した。非定常回帰モデルにおける構造変化点の一致推定量の収束速度を導出した。 5 ウェーブレット変換の帯域特性により、従来の時間領域あるいは周波数領域における方法が計算上の困難さや精度の点で問題がある点を克服できる場合の研究を行った。また、単位根問題や共和分分析に対しても、ウェーブレットの方法を使って、長期記憶時系列まで拡張した状況で、適用する方法を議論した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 田中勝人: "計量経済学のテキストを書き換えた「共和分」と「単位根」概念"経済セミナー. 588号. 73-76 (2004)
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[Publications] 田中勝人: "ウェーブレット解析の統計学への応用について"数学. (未定). (2004)
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[Publications] 田中勝人: "Frequency domain and wavelet-based estimation for long-memory signal plus noise models"Festschrift for Professor Durbin(Cambridge University Press). 75-91 (2004)
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[Publications] 早川毅: "ある種の統計量の事後分布の漸近展開について"数理解析研究所講究録. 1308号. 20-28 (2003)
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[Publications] 山本拓, 黒住英司: "Tests for Long-Run Granger Non-Causality in Cointegrated Systems"Discussion Paper #2003-12, Graduate School of Economics, Hitotsubashi University, June 2003. #12. 1-39 (2003)
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[Publications] 黒住英司: "Some Properties of the Point Optimal Invariant Test for the Constancy of Parameters"Journal of the Japan Statistical Society. Vol.33,No.2. 169-180 (2003)
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[Publications] 千木良 弘明, 山本拓: "The Granger Non-Causality Test in Cointegrated Vector Autoregressions"Discussion Paper #2003-13, Graduate School of EconoMics, totsubashi University, June 2003. #13. 1-28 (2003)
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[Publications] 斯波 恒正: "APT with Time Varying and Fixed Risk Premia : an MCMC approach"SepteMber, 2003, mimeo, 7 pages. 1-7 (2003)
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[Publications] 斯波 恒正: "Metropolis-Hastings Sampler : A Simple Regression Example"September, 2003, mimeo, 14 pages. 1-14 (2003)
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[Publications] 高橋一, 元山斉: "On Normal Approximation for the Statistical Functionals in Finite Population"Dec. 2003 Manuscript. 1-8 (2003)
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[Publications] 黒住英司: "穴埋め式 統計数理らくらくワークブック(藤田岳彦監修)"講談社. 168 (2003)