2003 Fiscal Year Annual Research Report
民間非営利セクターの数量的把握と公共政策のあり方に関する理論・実証研究
Project/Area Number |
14203005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山内 直人 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亘 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 助教授 (80324854)
松繁 寿和 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (50219424)
辻 正次 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (90029918)
福重 元嗣 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10208936)
齋藤 慎 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70093565)
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Keywords | 訪問介護事業者 / 経営実態調査 / DEA / 寄付・ボランティア税制 / マクロ推計 / 非営利サテライト勘定 / 国民経済計算 / 人口高齢化 |
Research Abstract |
1.非営利組織関係 訪問介護事業者の経営実態調査を実施し、その個票データとDEAなどの手法を利用して、非営利組織の営利組織、政府・公的企業と比較した行動原理を明らかにするとともに、非営利組織、営利組織、公的企業が競争する市場での競争特性を明らかにした。利潤分配が制限されているNPOの行動原理を明らかにし、そのマネジメント特性を営利企業および公的企業との比較において分析した。また、労働市場における賃金プロファイル・入転職行動などの営利企業との比較、ボランティアと有給雇用者の最適な組み合わせ、教育訓練の特徴などについて、理論的・実証的に解明した。国民経済計算のサテライト勘定として、民間非営利セクターに関するサテライト勘定の意義について分析し、実際にサテライト勘定の推計の一部を行った。 2.寄付・ボランティア関係 【理論分析】寄付・ボランティアの動機、寄付・ボランティアに関するミクロ経済的基礎を解明し、寄付・ボランティア活動が存在する場合の一般均衡モデルを構築した。情報技術(IT)が非営利組織の行動や寄付・ボランティアに与える影響について分析した。人口高齢化が、ボランティアの需要・供給、世代間の資産移転を通じて寄付に与える影響について分析した。 【実証分析】寄付とボランティアに関する全国調査を実施し、そこで得られた個票データを用いて、個人寄付関数、ボランティア関数を推計し、個人の寄付とボランティアが、所得、年齢、性別など、どのような要因によって決まっているか分析した。さらに、対家計データ・対企業データを用いて、寄付・ボランティアのマクロ推計を行った。 3.公共政策関係 【NPO政策に関する理論・実証分析】NPOに関する税制・法制など、現行の制度・政策をレビューした後、様々な政策がNPOのこれまでの発展にどのように寄与してきたかを評価した。具体的には、民法をはじめとする法人諸制度の問題点、新しいNPO法(特定非営利活動促進法)制定の意義と限界、中央政府や地方自治体のNPO政策の現状分析と評価など。特に、寄付・ボランティア税制および非営利団体に対する税制が個人や企業の寄付・ボランティア行動およびNPOの行動に与える影響を、理論的・実証的に解明した。 【分野別政策分析】文化・教育分野、福祉・医療、コミュニテイ開発・環境分野、さらには国際交流・国際協力分野におけるNPO・ボランティア活動を支援するための現行政策を評価するとともに、政策の在り方を検討した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Masatsugu Tsuji: "An Empirical Analysis of a Telehealth System in Terms of Cost-Sharing"Journal of Telemedicine and Telecare. Vol.9, S1.1. 41-44 (2003)
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[Publications] 辻 正次: "在宅健康管理システムの住人による評価についての地域比較分析 -岩手県釜石市と福島県西会津町におけるアンケート調査から-"医療情報学. 第23巻、第4号. 313-323 (2003)
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[Publications] Masatsugu Tsuji: "An Ordered Probit Analysis of Factors Promoting a Regional Information Policy : the Case of Japanese Local Governments"Mathematics and Computers in Simulations. Vol.64, No.1. 203-212 (2004)
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[Publications] Yoshiho Matsunaga, Naoto Yamaguchi: "Is the government failure theory still relevant? A panel analysis using U.S.state level data"Annals of Public and Cooperative Econoimics. (forthcoming). (2004)
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[Publications] 湯田道生, 川崎一泰, 鈴木亘: "人口予測の不確実性と年金財政:モンテカルロシミュレーションを用いた人口予測の信頼区間算出と年金財政収支への影響"会計検査研究(会計検査院). 28号. 101-112 (2003)
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[Publications] 伊吹英子, 山内直人: "コミュニテイ活性化とNPOの役割"都市問題研究(都市問題研究会). Vol.55,No.5(通巻629号). 61-75 (2003)
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[Publications] M.Tsuji, E.Giovannetti, M.Kagami: "The Internet Revolution : A Global Perspective"Cambridge University Press. (2003)