2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小磯 憲史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 雅顕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90193945)
真渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
西谷 達雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127117)
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30252571)
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
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Keywords | 変分問題 / 部分多様体 / 一般次元 / 極小部分多様体 / 平均曲率一定超曲面 |
Research Abstract |
今年度は曲面の変分問題の一般化に関する成果を得た. 3次元Euclid空間における閉部分多様体の最も自然な変分問題は1次元なら弾性曲線,2次元なら平均曲率一定曲面であると考えられる.これらはそれぞれ一般次元のEuclid空間においても曲線と超曲面に自然に拡張されるが,中間次元への拡張は良いものが知られていない. そこで,中間次元でも定義できる新しい変分問題を次のように「極大極小曲面」として定式化した. 極小部分多様体Sとその境界∂Sの組を考える.境界∂Sの体積が与えられたとき,部分多様体Sの体積を最大にするという問題を考える.この変分問題の解を「極大極小部分多様体」とよぶ. この定義が自然であり,かつ良いものであることを保証する次のような結果を得た. (1)全測地的部分多様体とその平均曲率一定超曲面は極大極小部分多様体である. (2)とくに,任意次元のEuclid空間の任意次元の「丸い」球面は極大極小部分多様体である. (3)さらに,(2)の例はすべて変分問題の解として安定である,すなわち第二変分が非負であり,0であるのは自明な変分ベクトル場に限ることが示される. (4)例が豊富にあることを示唆する事実として,Euclid空間の極小錐SとSと単位球面の交わりの組はすべて特異点を持つ極大極小部分多様体となる. (5)同じく,トーラスに非等質な極大極小面を具体的に構成することができる.
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