2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀我 美一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70144110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 仁之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10175953)
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80296748)
古川 義純 北海道大学, 低温科学研穿所, 助教授 (20113623)
中路 貴彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002174)
津田谷 公利 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60250411)
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Keywords | 国際研究者交流 / 多国籍 / 自己相似解 / 表面エネルギー / 平衡形 / 自由境界問題 |
Research Abstract |
非平衡非線形現象では、拡散効果と他の効果の複雑な相互作用により、様々な形態が形成される。このような現象を記述する非線形放物型方程式の解の性質を調べ、形態変化の仕組みの解明を目指している。 具体的成果は以下のとおり。 (1)自由境界値問題: 円柱状の結晶がその成長していく過程でどのような条件のもとで崩れていくかを知ることは、結晶の複雑な形態が生じるメカニズムを知る上で重要である。この問題を準定常1相ステファン問題で結晶表面でのGibbs-Thomson効果と運動の効果を取り入れた問題として定式化した。表面エネルギーには特異な異方性があり、平衡形が円柱になるようなものを考える。すると、結晶表面の運動方程式は、表面エネルギー密度の劣微分を含み、通常の偏微分方程式では記述できない。それにもかかわらず自己相似解が存在しうる場合、平衡形の近くでは円柱形のまま成長できることを示し結晶成長分野で直観的に述べられていることの数学的裏付けを与えた。 (2)半線形熱方程式の解の爆発問題: 解のベキ乗の増殖項を持つ半線形熱方程式の解は爆発しうる。べきが1より大きくソボレフの臨界指数より小さい場合は、解の爆発の度合が拡散項のない場合と同じであることは正値解について既に約20年前に著者らによって証明されていた。これに対して、エネルギーの局所化という新手法により、解の符号条件なしに解の爆発の度合が拡散項のない場合と同じであることを示すことに成功した。 (3)全変動写像流: カラー画像の整形や金属粒界の運動を記述する上で重要な1調和写像流について、通常の調和写像流と同様有限時間で特異性発生が起こることを発見した。
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Research Products
(6 results)