2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204011
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀我 美一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70144110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究科数学専攻, 助教授 (80296748)
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
新井 仁之 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (10175953)
松井 伸也 北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (50219367)
佐藤 元彦 室蘭工業大学, 工学部(共通講座・数学), 助教授 (30254139)
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Keywords | 最大値原理 / 等高面法 / 粘性解 / 自己相似解 / 曲率流 / 画像処理 |
Research Abstract |
年度は以下のテーマを研究しつつ、本計画全体の総括を行なった。具体的には曲率流方程式を中心とした曲面の発展方程式についての等高面法を一冊の著書に纏めた。 (1)最大値原理:等高面法の数学的基礎を支える粘性解理論について、強比較原理を確立した。今後、曲率流方程式の運動の比較に重要な役割を演じる事が期待される。 (2)自己相似解:クリスタライン曲率流の運動の基礎となる伸長型自己相似解の存在を厳密に証明し、それをもとに任意の多角形からの運動のアルゴリズムを作った。それを輪郭線の解析に応用した。 なお、著書は次の特徴をもつ。様々の曲面の発展方程式に対する等高面法の解析学的基礎についての自己完結的な紹介を行なっている。これらの方程式は様々な応用分野で重要である。例えば材料科学や画像処理また、微分幾何学などである。本書の目的は特異性を許した一般化された解の概念を導入し、初期値問題を時間大域的に解くことである。様々な解の概念をも与えている。これらの同値性についても書かれている。さらに等高面方程式の構造についても詳しく調べられている。また、等高面法の鍵となる粘性解の理論についても、かなり完全な紹介が行われている。本書の内容は、大部分はすでに知られているものではあるが、統一的に述べられている。また、様々な文献に散逸していたり、証明がつけられていなかったりしているものについても完全な証明が与えられている。本書の予備知識としては大学1年次の微積分学と線形代数学および半連続関数についての若干の知識だけである。これだけの予備知識で、最先端の研究を記述したことは、この分野の今後の発展にとって重要である。
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Research Products
(6 results)