2002 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ・ヘテロダインセンシングで探る銀河系星間ガスの相変化
Project/Area Number |
14204013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 智 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80182624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 正史 理化学研究所, 基礎科学特別研究員 (60344024)
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
岡 朋治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10291056)
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Keywords | テラヘルツ / サブミリ波 / 星間分子雲 / 銀河系 / 電波望遠鏡 / 中性炭素原子 / 超伝導 |
Research Abstract |
本研究では、銀河系星間ガスのプラズマ相から原子相への相変化を捉る目的で、窒素イオンの微細構造スペクトル線[NII](1.47THz)の銀河面観測を計画しており、そのスペクトル線を観測するための超伝導ホットエレクトロン・ボロメータミクサ(HEBミクサ)の開発を行っている。本年度は、Nbを超伝導体として用いた0.8THz帯のDiffusionCooling型のHEBミクサ素子を開発するとともに、1.47THz帯の局部発振器の整備を行った。 HEBミクサ素子の開発においては、国立天文台野辺山観測所のクリーンルームに設置した電子線描画装置を立ち上げ、描画条件、素子製作条件の絞り込みを行った。その結果、リフトオフ法によって200ナノメートルのサィズのブリッジ構造をもつ素子を製作することに成功した。この素子は、これまでに報告されている結果と比べて、良好な臨界電流特性を示した。また、素子を基板から切り出し、導波管マウントに装着し、高周波試験を行った。その結果、0.8THzにおいてヘテロダインミクサ(中間周波数1.5GHz)として動作していることを確認した。これらの経験をもとに、,目的としている1.47THz帯におけるHEBミクサ素子製作、および導波管型ミクサの実現に見通しをつけることができた。 1.47THz帯の局部発振器の開発は、ドイツのラジオメーター・フィジクス社の協力の下に行った。80GHz帯のガン発信器の出力を18逓倍することによって、1.47THz帯で2マイクロワットの出力を得た。これは、HEBミクサを動作させるための局部発振出力として十分なものである。 以上の開発研究と平行して、富士山頂サブミリ波望遠鏡を用いて中性炭素原子の微細構造スペクトル線(0.5THz,0.8THz)の観測を進め、原子ガスから分子ガスヘの相変化を観測的に調べた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tomoya Hirota: "L1521E : A Starless Core in the Early Evolutionary Stage?"Astrophysical Journal. 565. 359-363 (2002)
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[Publications] Masafumi Ikeda: "The Distribution of Atomic Carbon in the Orion Giant Molecular Cloud 1"Astrophysical Journal Supplement Sereis. 139. 467-485 (2002)
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[Publications] Masafumi Ikeda: "The H13CN/HC15N Abundance Ratio in Dense Cores : Possible Source-to-Source Variation of Isotope Abundances?"Astrophysical Journal. 575. 250-256 (2002)
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[Publications] Kazuhisa Kamegai: "Distribution of the [CI]Emission in the ρ Ophiuchi Dark Cloud"Astrophysical Journal. (In press).