2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204019
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
小林 行泰 国立天文台, 天文機器開発実験センター, 教授 (50170361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 紀 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (20300709)
宮崎 聡 国立天文台, ハワイ観測所, 助手 (20290885)
郷田 直輝 国立天文台, 位置天文天体力学研究系, 教授 (50202073)
辻本 拓司 国立天文台, 位置天文天体力学研究系, 助手 (10270456)
安田 直樹 国立天文台, 天文学データ解析・計算センター, 助手 (80333277)
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Keywords | 赤外線検出器 / 高精度位置天文学 / 宇宙機器 / 天文観測装置 |
Research Abstract |
JASMINE計画は近赤外線におけるアストロメトリ観測を衛星を用いて行う計画で、銀河系内、特に銀河面、バルジなどのサーベイを行い、極めて多数の星(数億個)の星の位置、距離、固有運動を今までにない高精度で測定することを目的とする。星の位置、年周視差、1年あたりの固有運動などを15等級の星に対して10万分の1秒角を実現することが最終目標である。可視波長域でのサーベイ観測では望遠鏡を一定の速度で掃天しながらCCDに蓄積された電荷を同じ速度で転送し、同時に積分も行うTDIモードの観測が極めて有効である事が知られている。視野を変更し、積分を始めるなどの不要な作業を必要しないため観測の効率が非常に良いこと、一つの天体の画像はCCD一列の画素を喪散ることにより感度が平均化され較正の精度が極めて高くなることなどTDIモードによるサーベイ観測には利点多い。そこで本研究では、JASMINE計画のための新方式赤外アレイ検出器の開発を目指して作業を進めた。今年度はHgCdTeを用いた赤外線アレイ検出器のCCD化の検討を行い、これとは異なった可能性であるSiを用いたCCDの赤外域の高感度素子の開発、そして、衛星搭載を視野に入れたデータ取得制御システムの開発を行った。 HgCdTeを用いた赤外線アレイ検出器のCCD化については数少ない赤外アレイメーカーのひとつである、Raytheon社のKen Ando氏を招いて、これの実現の可能性を検討した。いくつかの問題はあるものの実現の可能性は充分あるが、最大の問題は価格であることが鮮明となった。赤外線アレイの価格は材料としてのHgCdが高価であることによるためで、今後技術的な対策で価格が下がることはあまり期待できないことが明らかとなった。一方、可視CCDの改良版であるfull depletion CCDの開発を進め、小規模サンプルながら期待される感度が得られることが確認されている。まだ実用化するには暗電流が多いなどの問題点があるが、さらに裏面照射型の試作などを経て大型化に進める予定である。データ取得のためのオンボード基板の試作を行った。汎用CCDを用いて動作試験を行い、アレイ素子の評価を行うとともに、試験結果を踏まえて今後実機システムの開発を進める。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 郷田, 辻本, 小林, 中島, 松原他: "Introduction of Japanese astrometry satellite mission for infrared exploration (JASMINE)"Proceedings of the SPIE. 4850. 1161-1168 (2003)
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[Publications] 郷田, 辻本, 小林, 中島, 松原他: "IR Space Astrometry : JASMINE-Galactic Structure Surveyor Project"The Proceedings of the IAU 8th Asian-Pacific Regional Meeting. 2. 5-6 (2002)
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[Publications] 峰崎, 吉井, 小林, 塩谷他: "Inner Size of a Dust Torus in the Seyfert 1 Galaxy NGC 4151"The Astrophysical Journal Letters. 600. 35-37 (2004)
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[Publications] 吉井, 富田, 小林他: "The Optical/Near-Infrared Light Curves of SN 2002ap for the First 140 Days after Discovery"The Astrophysical Journal. 592. 467-474 (2003)
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[Publications] 小林, 吉井, 峰崎, 塩谷他: "Automated observatory for multicolor active galactic nuclei monitoring (MAGNUM)"Proceedings of the SPIE. 4834. 954-964 (2003)