2003 Fiscal Year Annual Research Report
TeVガンマ線スペクトルおよびイメージング観測による銀河系内宇宙線起源の解明
Project/Area Number |
14204022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷森 達 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10179856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛田 淳子 東海大学, 理学部, 助手 (80366020)
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
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Keywords | 高エネルギーガンマ線 / 超新星残骸 / 宇宙船加速起源 / 衝撃波加速 / チェレンコフ光望遠鏡 / パルサー / ステレオ観測 |
Research Abstract |
超新星残骸(SNR)は唯一、銀河内宇宙線起源の候補天体として長らく信じられながらその証拠はほとんど発見されていない。また、宇宙物理で標準的な衝撃波理論の観測的証明もほとんど無いのが現実である。しかしASCAによるSN1006からのシンクロトロンX線、および我々CANGAROOグループによるTeVガンマ線放射の発見でその糸口が見えた。続いて同様なSNR、RXJ1713からもTeVガンマ線放射の発見、スペクトルからの陽子加速の可能性など大きく進歩した。 この計画では発見から精密測定への移行、とくにイメージング能力を複数台のステレオ観測によって大幅に向上することで、形態学的研究を推進することを目的としている。今年度までに東大宇宙線研究所を中心とするCANGAROOグループで4台の10m望遠鏡を完成、ステレオ観測を実現する。我々は読み出し回路、データ収集系を担当した。今年度は、4号機の建設、立ち上げを行い、それらのTDC,ADCの日本での校正を行い、現地でシステムを組み上げた。またオンラインの性能向上も行い、100Hz以上でのデータ収集を可能にした。さらに各望遠鏡で観測されるシャワー事象を一致させる光リンク回路をこの経費で開発し、各望遠鏡で観測されるシャワー事象の対応を可能にした。同時にデータを1台に集約し、管理するシステムを構築した。さらにステレオ観測用のデータ解析ソフトの開発を担当し、すでに3台対応のプログラムを完成させた。シャワーの到来方向分布、地上での衝突分布などステレオ解析によって新たに得られる情報に関する基本的特性をチェックし、シャワーのステレオ観測がほぼ正しく行われていることを確認できた。現在、今年度ステレオで観測した、かに星雲によるガンマ線ステレオ観測のデータ解析が進行している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toru Tanimori: "Galactic TeV Gamma Ray Sources and Cosmic Ray Origin"Progress of Theoretical Physics Supplement. 151. 234-239 (2003)
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[Publications] C.Itoh: "Evidence of TeV gamma-ray Emission from the nearby starburst galaxy NGC 253"Astronomy and Astrophysics. 402. 443-455 (2003)
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[Publications] R.Eomoto: "A Search for TeV Gamma Rays from SN 1987A in 2001"The Astrophysical Journal. 591. L25-L28 (2003)