2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204028
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
吉村 浩司 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50272464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (70291317)
五十嵐 洋一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50311121)
西川 公一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (32929037)
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00144387)
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Keywords | 大強度ミューオン源 / 電流収支型標的 / 水銀標的 / 低エミッタンスビーム / 大強度陽子加速器 / ミューオンビーム冷却 / レプトンフレーバーの破れ / ニュートリノ・ファクトリ |
Research Abstract |
大強度陽子加速器を用いて大量のパイオンを生成し、その崩壊により得られるミューオンを蓄積、加速する技術は、ニュートリノファクトリ・ミューオンコライダあるいはレプトンフレーバーの破れを探索するための大強度高輝度ミューオン源(PRISM計画)を実現する上で重要である。ミューオンを加速管に入れて加速するためには、ビームのエミッタンス(ビームの広がり)を小さくする必要があるが、ミューオンは有限の寿命を持つために、時間のかかる通常の冷却方法は使うことができず、イオン化冷却という方法が用いられる。その一方で、パイオン生成時に強磁場をかけてエミッタンス(ビームの広がり)の小さい状態で捕獲することも重要である。その一つのアイデアとして「電流収束型標的」が新たに考案され、その原理実証を目的として実験を行っている。電流収束型標的の原理は、生成標的にパルス大電流を流して、標的内部にトロイド状の強磁場を発生させ、生成した二次粒子を収束させることにより、エミッタンスの小さい二次ビームを得るということである。標的材料としては、大強度陽子ビームによる熱衝撃を考慮して、水銀が検討されている。十分な収束効果を得るために、300kA〜1MAの電流を約1msecのパルス状に印可する必要がある。水銀に大電流を印可したときの挙動を詳しく調べることがR&Dの主要な目的となっている。本科学研究費プロジェクトでは、原理実証に向けた、電流収束型標的のプロトタイプのデザインを行い、標的容器に水銀を供給するための水銀循環装置を製作し、標的に高いパルス電流を流すためのパルス電源装置を開発した。これらを用いて大電流を印可したときの、水銀標的における様々な問題点をあらいだし、実機のデザインに必要な基礎的なデータを取得しつつある。
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Research Products
(1 results)