Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 宏 立命館大学, 理工学部, 教授 (40213996)
佐藤 隆司 産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (90357161)
川方 裕則 京都大学, 防災研究所, 助手 (80346056)
中尾 茂 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (90237214)
山内 常生 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (80022713)
|
Research Abstract |
大きめの地震に伴う10μstrainを超える歪ステップや,鉱山ルーチン観測網で検知されたM>-1の地震に同期したステップには,先行する歪変化が確認されていない。しかし,Bambanani鉱山で,ゆっくりした歪ステップの前に前駆的な歪変化を伴うイベントが発見された。これらのイベントは地震としては検知されていないことから,非常に小さな(スロー?)イベントの前駆的なすべりをとらえた可能性が考えられる. Bambanani鉱山の24bit25Hz連続記録を精査し,発破等を除いた識別しうる全ての歪step(約0.01μstrain以上の約900例)について検討したところ,0.1μstrain級のstepに関しては,通常の地震stepよりもゆっくり立ち上がるstepが約3割を占め,その中でもとりわけゆっくりしたstepの一部のみに,明瞭な前駆歪変化が見られることが分かった。これらに対応する地震(M>-1)は,鉱山の地震観測網によって検知されていない。これらのイベントは,見る時間スケールを長くすればするほど,前駆・ステップ・余効変動が大きく見え,歪が加速して最速期を迎え,減衰する様子がうかがわれる。またこれらのイベントは,例外が1つあるが,歪計の近傍で大きな地震が発生し,余効変動が大きい時期に集中して発生していた。 過去の地震観測プロジェクトのデータを詳細に検討した結果,M1クラス(震源サイズにして20m程度)も,大きな自然地震程度に高速破壊であることから,断層破壊の破壊成長抵抗は,破壊サイズとともに小さくなることをみいだし,さらに,このような小地震の破壊過程といえども大地震と同じように,その内部に複雑さを内包していることまで示唆された。 地震波形解析に基づいて,南ア金鉱山の地震発生監視にルーチン的に用いられている岩盤応力変化推定手法を日本の群発地震に適用したところ,規模の大きな地震に先立ち応力の低下が示唆される結果が得られた.
|