2003 Fiscal Year Annual Research Report
マントルにおけるメルト・岩石反応系のメルト輸送の物理化学
Project/Area Number |
14204050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 一仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90160853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 以知子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40211966)
永原 裕子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80172550)
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Keywords | 上部マントル / かんらん岩 / 珪酸塩メルト / メルト輸送 / 固相-液相反応 |
Research Abstract |
本研究は、マントルにおいて形成されるマグマの化学組成や生成量の支配要因として重要な、メルト輸送の物理過程を実験的に明らかにするために、メルトを部分溶融合成系マントル物質中を浸透流として移動させ、その物理化学過程を解析し、融解過程のダイナミクスを理解すること目的としている。今年度は、フォルステライトとアルバイト(NaAlSi308)系の固液共存層をダイヤモンド集合体とともに10GPa、1300℃の条件炭素キャプセル中に封入し、メルトの移動過程を調べた。 溶融珪酸塩組成としてアルバイトメルトを用いた理由は、第一にアルバイトの粘性が大きい点、第二にアルバイト-フォルステライト系のリキダス境界は、圧力にあまり依存しないからである。フォルステライトのサイズは10ミクロン程度にそろえた。まず、アルバイトガラス10wt.%とフォルステライト90wt.%の混合物を、ダイヤモンド集合体なしの実験条件下で、1日程度アニールした。メルトは、均一に分布しており、フォルステライト-メルト間の組織的平衡が達成された。次に、この実験生成物(円柱状)をダイヤモンド集合体と一緒に実験条件で1時間程度処理した。この実験生成物の加圧軸に平行な断面をSEMで観察したところ、ダイヤモンド集合体中にアルバイトメルトが100〜200ミクロン浸透移動し、ダイヤモンド集合体との界面から数十ミクロンの幅でメルト分率が数%以下に低下した。 この実験生成物については、現在本年度購入し立ち上げつつあるSEM-EBSD結晶方位解析システムを用い、フォルステライトの変形とメルトの移動過程の関連の解析が進行中である。
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Research Products
(1 results)