2003 Fiscal Year Annual Research Report
金属フラーレン・カーボンナノチューブの新規ハイブリット物質の創製
Project/Area Number |
14204059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠原 久典 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50132725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 俊樹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50262845)
岡崎 俊也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90314054)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 単層カーボンナノチューブ / 多層カーボンナノチューブ / ピーポッド / CVD法 / 高収率合成 / 高分解能透過型電子顕微鏡 / STM |
Research Abstract |
本研究では、名古屋大学グループが過去12年の間に創製してきた、各種の金属原子を内包したフラーレン(金属内包フラーレン)を高収率で単層カーボンナノチューブ(SWNTs)あるいは多層カーボンナノチューブ(MWNTs)に内包させ、新規のカーボンナノチューブのハイブリッド物質を創製することに成功した。この場合、SWNTsでは1次元的に、MWNTsでは3次元的に金属内包フラーレンをチューブ内部の空間に内包することができた。これらの新規ナノ炭素物質は、金属内包フラーレンからナノチューブへ電子移動のために、今後、通常のナノチューブにはない極めて特異な性質(高い金属性、超伝導性)を示す可能性が高い。 カーボンナノチューブの合成には、主に直流アーク放電法と化学蒸着(CVD)法を併用した。CVD法ではSWNTが生成されていなかった。しかし、最近になって本研究グループにより、ゼオライト基盤を用いたCVD法によって、高純度にSWNTとDWNTが合成されるようになった。 ピーポッドの電子物性と電子輸送特性はさらに興味深い。高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)をエネルギー損失分光(EELS)と併用することにより、ピーポッドの内包構造と電子状態の評価を行った。また、高感度ラーマン分光法により、ナノチューブやピーポッドのサイズ(太さ)分布の決定に成功した。さらに、超高真空走査トンネル顕微分光(UHV-STM)とトンネル分光(STS)を併用することにより、単一(individual)ナノチューブとピーポットのバンドギャップ測定とその位置依存性を評価することが可能となった。 本研究ではさらに、金属内包フラーレン・ピーポッドをFETのチャネルとして組み入れ、その電子輸送特性を評価した。ピーポッドではバンドギャップエンジニアリングだけでなく、FETを作ることによって、ゲート電圧の調整だけで、P, n型の両タイプの半導体特性を実現できることを世界に先駆けて成功した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.N.Khlobystov: "Molecular Motion of Endohedral Metallofullerenes in Single-Walled Carbon Nanotubes"Angew.Chem.Int.. 43. 1386-1389 (2004)
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[Publications] S.Bandow: "Raman Scattering Study on Fullerene Derived Intermediates Formed within Single-Wall Carbon Nanotube : form Peapod to Double-Wall Carbon Nanotube"Chem.Phys.Lett.. 384. 320-325 (2004)
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[Publications] T.Sugai: "Syntheses of Single- and Double-Wall Carbon Nanotubes by the HTPAD and HFCVD Methods"New J.Phys.. 6. 21-1-21-12 (2004)
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[Publications] Y.Ohno: "Chirality Assignment of Individual Single-Walled Carbon Nanotubes in Carbon Nanotube Field-Effect Transistors by Micro-Photocurrent Spectroscopy"Appl.Phys.Lett.. 84. 1368-1370 (2004)
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[Publications] T.Shimada: "Transport Properties of C78, C90 and Dy@C82 Fullerenes-Nanopeapods by Field-Effect Transistors"Physica E. 1089-1092 (2004)
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[Publications] T.Shimada: "Double-Wall Carbon Nanotube Field-Effect Transistors : Ambilolar Transport Characteristics"Appl.Phys.Lett.. 84. 2412-2414 (2004)
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[Publications] 齋藤理一郎, 篠原久典: "カーボンナノチューブの基礎と応用"培風館. 320 (2004)