2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204062
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
城丸 春夫 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70196632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 俊行 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70212529)
奥野 和彦 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 客員教授 (70087005)
田沼 肇 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30244411)
兒玉 健 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20285092)
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Keywords | 静電型イオン蓄積リング / 冷イオン / 多価分子イオン / フラーレン / 高次フラーレン / FT質量スペクトル / バンチ化 / 寿命測定 |
Research Abstract |
静電型イオン蓄積リング(TMU E-ring)に種々のイオンを打ち込み、周回実験を行った。これらの結果は内外の学会で報告するとともに、一部論文として発表した。まずデュオプラズマトロン型イオン源を用いて希ガス、2原子分子イオンを周回させ、非接触型ビーム位置モニター等を用いて、その周回軌道の解析やビームのパルス特性を調べた。ビームをパルス化して打ち込んだ場合、単純に周回を重ねればそのパルス幅は徐々に広がり、数十ms程度でバンチ構造が失われることがわかった。この問題を解決するために、円筒型電極にイオンの周回と同期したRF電圧を印加し、能動的にバンチ化することに成功した。また周回中に残留ガスとの衝突によって中性化した原子、分子の信号を測定し、ビームが1分以上蓄積されていることを確認した。蓄積されたイオンビームの減衰をリングに導入したヘリウム圧の関数として測定することにより、リング周回における見込み角を決定した。また2価分子イオンを周回させ、その寿命測定を行った。 さらにフラーレンイオンをレーザー脱着法で生成させ、15keVに加速して周回させた。非接触ビームモニターを用いて、高次フラーレンを含む種々のフラーレン類が同時に蓄積され、C60+がC70+を追い越していく様子を直接観測した。この信号から得たFT質量スペクトルにおいて、種々のフラーレンイオンは十分に分離して観測され、質量が異なるイオンが混在していても干渉無く衝突、分光実験が行えることが示された。また特定のイオン種に同期したRF信号を印加することにより、そのイオンを選択的にバンチ化することが可能であった。選択されたイオンのパルスは先鋭化され、空間的に圧縮されていること、また質量の異なるイオンは速やかにバンチ構造が失われることがわかった。
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Research Products
(5 results)