2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204075
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
飯田 滋 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 教授 (30012777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (30137799)
星野 敦 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (80312205)
栂根 一夫 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (50343744)
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Keywords | アサガオ / イネ / ゲノム / 自然突然変異 / トランスポゾン / 易変性変異 / 遺伝子タギング / 遺伝子ターゲティン |
Research Abstract |
野生型は鮮やかな青色花を咲かせ、江戸時代に園芸化されて多くの自然突然変異体が分離されたアサガオの変異は、ほとんどがEn/Spm系のTpn1ファミリーと名付けた一群の非自律性トランスポゾンの関与する変異である。今回我々は文化文政期に分離され、江戸後期に好まれた茶(柿)色もしくは鼠色の花を咲かせるアサガオのdusky(柿)変異は、anthocyanidin 3-O-glucosideをanthocyanidin 3-O-sophorosideに変換する過程に係わるUDP-glucose : anthocyanidin 3-O-glucoside-2''-O-glucosyl-transferaseをコードする新規の配糖化酵素遺伝子が欠損した変異であって、おそらく挿入したTpn1ファミリーのトランスポゾンの転移脱離によって生じた思われる4bpの挿入によるフレームシフト変異であった。また、我々は既に野生型の青色花の赤紫色の蕾が開花に伴って青色となる際の花弁液胞のpHの上昇には、Purple遺伝子のコードするNa^+/H^+アンチポーターInNHX1が関与することを明らかにし、このPurple遺伝子内にTpn1ファミリーのトランスポゾンが挿入した自然突然変異では花弁液胞のpHの上昇が野生型の半分程度となり、赤紫色の蕾は開花しても紫色にしかならないことを報告した。今回我々はこのInNHX1が欠損したpurple変異体の開花時の液胞pH上昇に係ると思われる新規のNa^+/H^+アンチポーターInNHX2をコードする遺伝子を同定し、両者の機能や発現様式を詳細に比較した。さらに、イネの易変性のvirescent変異に係るDNA型トランスポゾンの同定し、遺伝子タギングの可能性追求し、相同組換えを利用したイネの遺伝子ターゲティングの開発を続行して、イネの機能ゲノム学的解明に資することもめざしている。
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Research Products
(7 results)