2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトを含む霊長類におけるロコモーションの発達・加齢
Project/Area Number |
14204083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (40172978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 守彦 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (60011615)
石田 英實 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (60027480)
木村 賛 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20161565)
中野 良彦 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助教授 (50217808)
足立 和隆 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (70221041)
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Keywords | 直立二足歩行 / 生活の質 / トレーニング / コンピュータシミュレーション / 大腿骨 / 木登り運動 / チンパンジー / 霊長類 |
Research Abstract |
本課題最終年度であり、データの最終的収集と分析を行い、結果を得た。11月にシンポジウム"成長、加齢、そして運動パフォーマンス"を開催し招聘外国人研究者の講演をもとに議論するとともに、課題研究隔靴を発表・議論を行った。招聘研究者はヒト以外の真猿類での老化におよぼす運動・栄養の影響(Newell-Morris L)、類人猿の2足歩行運動力学と解剖生理学的特徴に関する比較結果(D'Aout)、および長期カロリー制限高齢マカクにおける認知・運動パフォーマンス研究経過(Ingram)を発表した。チンパンジー運動発達について、関連する成果が得られた:身体発達に伴って垂直木登り運動で下肢押上げ優位となる(中野)、大腿骨の断面力学的特性が発達に伴い適応的に変化する(例、内転筋群等の相対的発達に関連し骨が前後方向へ強化される、松村)、大腿骨の骨体も関節部もプロポーション変化は少ないが、筋・体重の荷重部分(大転子や内側顆など)で著明である(石田)。ヒトと比較してニホンザルの脊柱の発達・加齢は、相対的に遅くまで成長し、早く加齢変化が始まることに特徴がある(濱田)。歩行・姿勢維持の発達・加齢変化の要因探索にコンピュータ・シミュレーション法がひじょうに有用である(長谷)。多極筋電図法から、高齢者歩行の特徴要因のひとつは、速筋繊維の選択的萎縮など筋の組織学的変化である(岡田)。高齢者歩行の長期縦断的調査から、加齢とともに歩幅・歩行速度の減少等の歩様変化とともに筋力・日常的運動量の減少が認められる(木村)。老齢者に顕著な階段降下時の"ギクシャク感"は、伸長性収縮する大腿四頭筋等の神経制御機構(感覚・運動両面)の機能低下が要因のひとつである(足立)。インターネットを利用し、データ解析・効果評価を行う高齢者運動パフォーマンス改善システムを開発し、試用した結果、かなり良い効果が認められた(西澤)。以上のように本課題が目的とした、運動パフォーマンスの発達・加齢に及ぼす様々な要因の究明と、高齢者パフォーマンス増進法開発は、それぞれ有機的に達成された。
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Research Products
(18 results)