2004 Fiscal Year Annual Research Report
原子レベル表面状態制御による低欠陥窒化物半導体のヘテロエピタキシー
Project/Area Number |
14205001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 悟 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80281640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 秀和 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70292042)
青柳 克信 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70087469)
坂口 春典 日立電線(株), アドバンスリサーチセンタ, センタ長
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Keywords | III族窒化物半導体 / 構造欠陥 / 転位 / 表面構造 / ヘテロエピタキシー / 成長モード / 光デバイス / 自己組織化 |
Research Abstract |
窒化物半導体の高品質化のためには,主たる構造欠陥である貫通転位の低減が課題である.現状ではGaNホモエピ基板が欠如しているため.ヘテロエピを余儀なくされている.ヘテロエピ用の基板として本研究では,汎用基板であるサファイア・SiCを取り上げ原子レベル表面状態制御という立場から高品質化を目指している.初年度は.まずSiC基板の表面平坦化のために,高温HCl/H2ガスエッチング装置を開発し,種々のSiC基板(ポリタイプ・微傾斜特性)に関して原子レベルの平坦化を試みた.実験パラメータ(エッチング温度,プロセス,流量,ガス本圧)および基板パラメータ(ポリタイプ,傾斜角度,面極性,傾斜方向)について総合的な検討を行い,基板表面構造の制御に成功した.最適化実験パラメータにより,傾斜基板には特有な周期化ナノファセット構造が誘起されるとを見出した.この構造は表面の自己組織化と考えられ,エネルギー・速度論的な立場から検討を加えた.このようなナノ周期構造表面はナノ表面として定義・提案することができ,今後ヘテロ系材料への展開を試みる基礎となった. 更に,上述の原子レベルで平坦化した基板表面上への窒化物(GaN)半導体のヘテロ結晶成長を分子線エピタキシー法により行った.特に,成長初期過程である核発生・核の融合に注目し成長モードのパラメータ依存性を検討した.また,欠陥生成過程に関するモデリングも行い,微傾斜基板では構造に異方性を生じることを明らかにした.更にGaの吸着脱離状態を制御することによりナノオーダーの選択成長が可能であること見出し,世界で初めてGaN量子細線の作製に成功した. さらに同様な手法でAlNを成長し,AlN表面に規則化したステップバンチングが生じることを見出し,Stranski-Krastanov成長モードによりGaN量子ドットを作製,ドットの1次元規則配列を達成した.これらのドットは規則配列により光学特性が改善されることがわかった.
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Research Products
(1 results)