2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205013
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 収 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (90192674)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 康志 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教授 (60294047)
小山田 正人 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30183255)
|
Keywords | 非線形光学 / フェムト秒レーザー / 近赤外 / マイクロレンズアレイ / 第2高調波 / 細胞 |
Research Abstract |
今年度は、細胞膜電位分布の高速マッピングを行うための第2高調波顕微鏡の試作、および興奮性細胞の光刺激装置の開発を行った。第2高調波顕微鏡の光学系にはマイクロレンズアレイディスクを利用したマルチビーム走査方式を採用し、測定系の高速・高感度化を行った。装置の開発は、観察範囲を一様に照明でき、かつ十分な効率で非線形光学効果を誘起できるマイクロレンズアレイディスクの設計を中心に行った。実際に試作した第2高調波顕微鏡では、光源にモードロックチタンサファイアレーザー(波長900nm、繰り返し周波数82MHz、パルス幅80fs)を用い、そこからのレーザー光線をマイクロレンズアレイを用いて約100本の光線に分割した。各レーザー光線は、マイクロレンズアレイを透過後、対物レンズアレイに入射し、同数(約100点、一点あたり約2mW)の焦点を試料内に形成した。マイクロレンズアレイを回転させることにより、約3msの走査速度で観察面を一様に照明した。.試作した顕微鏡を用いて、非線形感受率の大きな蛍光色素(RH237等)で染色した生きた細胞(ヒト癌細胞、ラット培養心筋細胞)を観察した。その結果、従来の蛍光観察法による像よりも格段にコントラストの高い像を得ることに成功した。また、光刺激光学系としては、従来の蛍光顕微鏡にモードロックチタンサファイアレーザーを導入したものを用いた。試作した光学系により、ヒト癌細胞およびラット培養心筋細胞内で光誘起によるカルシウムイオン濃度変化を確認した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.Kobayashi, K.Fujita, T.Kaneko, T.Takamatsu, O.Nakamura, S.Kawata: "Second-harmonic-generation microscope with a microlens array scanner"Optics Letters. 27.15. 1324-1326 (2002)
-
[Publications] K.Goto, T.Nakagawa, 0.Nakamura, S.Kawata: "Transcutaneous photocoupler for transmission of biological signals"Optics Letters. 27.20. 1797-1799 (2002)