2003 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体量子ドットにおける単一電子スピンの赤外制御とその応用
Project/Area Number |
14205015
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川崎 宏治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10234056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 幸治 理化学研究所, 極微デバイス工学研究室, 主任研究員 (30211048)
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Keywords | 窒化物 / 半導体量子ドット / 単一電子スピン / 赤外制御 / クーロンブロッケード / MBE / 選択成長法 |
Research Abstract |
提案したMBEを用いた選択成長法による量子ドットの作製法を用いて、微細なGaN量子ドットを形成させ、赤外線で共鳴励起可能な大きな二準位系を有する単一電子トランジスタを形成させ、赤外線によるスピン反転現象を確認することを目標として研究を行った。 SiO2によりマスクを施したAlGaN基板上に、電ビームリソグラフィを用いて微細窓を形成させ、そこにMBE選択成長法を用いてGaN/AINヘテロナノ構造を作製した。AINバリアの成長温度を従来の800℃から840℃に高めることにより、表面のマイグレーションをエンハンスさせることで結晶性を高め、結晶性の高い量子ドットおよびバリア構造を得ることに成功した。このときの量子ドット構造の直径は50nm、高さは5nm、またAINのバリア層厚は1nmであった。本ドットに斜め蒸着法を用いてソース、ドレインおよびゲートを形成して単一電子トランジスタを作製し、電子輸送特性を20Kにて評価した結果、クーロンブロッケード現象並びに、明瞭な0電子準位を形成させることに成功した。さらにソース・ドレイン電圧依存性より、イニシャルの量子ドットの中には電子が存在せずに、ソース・ドレインの電圧を増加させることで、電子が1つづつ注入されていることが明らかになった。この素子の二準位系のエネルギーは100meVと波長12.4μmの赤外光で励起可能である。
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