2003 Fiscal Year Annual Research Report
遠赤外レーザーを用いた逆コンプトン散乱過程による低エネルギーガンマ線の生成
Project/Area Number |
14205018
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
大熊 春夫 財団法人高輝度光科学研究センター, 加速器部門・運転・軌道解析部ループ・グループリーダー, 主席研究員 (60194106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 真也 財団法人高輝度光科学研究センター, 加速器部門・真空チーム, チームリーダー・主幹研究員
田村 和宏 財団法人高輝度光科学研究センター, 加速器部門・光診断チーム, 副主幹研究員 (10360835)
鈴木 伸介 財団法人高輝度光科学研究センター, 加速器部門・加速管チーム, チームリーダー・主幹研究員
藤原 守 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授
岡島 茂樹 中部大学, 工学部, 教授 (90113084)
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Keywords | 逆コンプトン散乱 / ガンマ線 / 遠赤外レーザー / 導波管 / 高エネルギー放射光 |
Research Abstract |
1.低エネルギーガンマ線の発生技術に関する研究 平成14年度に製作した「レーザー光導入クロッチチェンバ」の性能確認を行い、蓄積リングに設置した。また、「光導波管を用いたレーザー光伝送系」のための偏向部ミラーホルダーの開発、製作を行い、全長約20mのアクリル中空導波管を用いた伝送系を設置した。 2.高性能光励起遠赤外レーザーの開発に関する研究 Si単結晶を用いた遠赤外レーザー取り拙し窓の開発を行った。発振波長に最適化した取り出し窓を、厚さ±1μmの制度で製作して、λ=57μmでの光学定数の精密測定を行い、高精度の窓やビームスプリッタの設計を可能にした。118.8μmでの光学定数測定も行う予定である。 3.生成ガンマ線の計測と試験測定 生成されるガンマ線を計測して逆コンプトン散乱の原理検証を行うためには、バックグラウンドとなる高エネルギー放射光(300keV以上)をアブソーバによって減衰させることが必要である。アブソーバの種類として、Pb、Cu、Al、C、Ta等を検討して、これらを組み合わせて実際にバックグラウンド測定を行った。また、遠赤外レーザーを入射して逆コンプトン散乱ガンマ線の生成試験を始めたところである。平成16年度には、「加速器診断I」と呼ばれる既存の加速器ビーム診断用のビームラインでの、逆コンプトン散乱によるガンマ線の生成が確認される予定であり、その後は、より高強度のガンマ線の生成が期待される「加速器診断II」を用いた研究へと移行する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Utsunomiya, H.Ohkuma, et al.: "Photonuclear reaction studies at synchrotron radiation facilities in Japan"Proc.of 8th Int.Conference on Clustering Aspects of Nuclear Structure and Dynamics. in press.