2005 Fiscal Year Annual Research Report
メタマテリアルミリ波アンテナを搭載したモバイルマイクロTAS実現のための基礎研究
Project/Area Number |
14205037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鷲津 正夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10201162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 秀俊 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20252471)
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Keywords | メタマテリアル / マイクロTAS / ミリ波アンテナ / 誘電泳動 / 液滴操作 / 微小化学分析システム / 圧電材料 / モバイル |
Research Abstract |
本研究の目的は,マイクロTASに必要なポンプ・フィルター・リアクター・センサー等をすべて同じ材料・同じ駆動原理で実現するために必要な要素技術開発を行うこと,また,エネルギーの供給と分析結果の取り出しを容易にするために,60GHz帯のミリ波を利用可能にすることである。そのために,ホトニックバンドギャップ的な発想により,ナノ誘電体材料を分散することにより全方向性ミリ波アンテナを実現するという,新たなナノ構造制御型マイクロ材料であるメタマテリアルの材料開発およびそれを利用したミリ波デバイスの開発を行う。開発したマイクロTASとミリ波デバイスを組み合わせることにより,容易に持ち歩くことができるマイクロTASを実現することができる。平成17年度においては,下記の結果を得た。 (1)進行波を利用したマイクロポンプによるマイクロ流路内の流体挙動を共焦点顕微鏡を用いたマイクロPIVにより明らかにし、流体が微小な振動しながら、後流に流れていることを明らかにした。また、従来の片持ち梁型のアクチュエータに加え、バルクの圧電素子を用いた場合についても検討を行った。 (2)平成17年度に考案した、熱による誘電率を変化させることによるミリ波のアンテナ構造に対しては、加熱するヒーターの構造により、熱の分布が影響されるが、断熱構造等を工夫することにより与える熱の分布の解像度が決定される。すなわち、アンテナの構造の微細化はこの熱構造の設計に依存する。そこで、本年度は、加熱ヒーターおよび断熱構造に関する考察をCAEを用いて考案し、試作・実験した。 (3)液体ハンドリングの方法として,溶液を液滴の形で扱い,これを基板上に配置した電極により駆動する新しいシステムを提案し,実験的に実証した。すなわち,表面に疎水処理をした平行ストリップ電極を用いて,液滴を自己推進(self-propelling)的に駆動するメカニズムを発見し,このメカニズムが液滴の移動後に基板上に残る水分子の吸着層が電界をシールドすることにあることを解明,さらに,その微小化学分析システムへの応用を開発した。
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Research Products
(6 results)