自己組織化学習チップの開発とそのロボティクスへの応用

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14205038
• Research Institution: Kyushu Institute of Technology
• Principal Investigator: 山川 烈 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (00005547)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 堀尾 恵一 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助手 (70363413) ; 石井 和男 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (10291527) ; 神酒 勤 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (20231607)
• Keywords: 自己組織化マップ / ハードウェア / ロボティクス / フローティングゲート / パルス幅変調信号 / ロボットアーム制御 / 強化学習 / 群ロボット

Research Abstract

本年度は,自己組織化ハードウェア(自己組織化マップおよび自己組織化関係ネットワークのハードウェア実現)の設計・試作とそのロボティクスヘの応用を主体に研究を行った.
(1)自己組織化マップ(SOM)の高速学習アルゴリズムを提案し,そのシステムをディジタルハードウェアで実現した.これにより,通常のソフトウェアによるSOMシミュレーションに比べて,はるかに早い学習能力と処理能力と持つに至った.このことにより,ロボティクスへの応用の可能性が見えてきた.また,自己組織化マップの機能を多様化したバージョンを開発した.たとえば,いくつかのエピソードに対して同一分類を行うASSOMとフィードバックSOMを組み合わせて字空間パターンの分類を行った.また,カーネル法を用いたASSOMを開発した.入出力関係を構築できる自己組織化関係(SOR)ネットワークについては,これとファジィ推論を組み合わせた効果的な学習法を提案し,それのトレーラートラック実機の後退運転制御への応用を試みて,良好な結果を得た.更に,逆実行モードSORネットワークを開発し,多価関数の解を求めるのに利用した.自己組織化システムが,ロボットアームの現在の姿勢を考慮した手先位置制御にも利用できることを示した.
(2)階層型のウェーブレットニューロンである非線形関数ネットワークを用いた特徴抽出モデルの開発を行った.本モデルを顔画像処理に適用,グレイレベルの256x256の顔画像から特徴ある領域のみを効率的に抽出し,その有効性を確認した.また,本モデルをハードウエア実装するための基礎実験を行った.FPGAによるハードウエア実装を行い,サブミリ秒以下で処理(1次元処理)できることを確認した.
(3)自己組織化学習を用いた環境認識,障害物回避について研究を行い,考案したアルゴリズムを水中ロボットに適用し確認した.自己組織化学習において,強化学習的な評価手法を取り入れることにより,ロボットが動作環境を学習しながら自身の行動が修正できる事を示した.

Research Products

• [Publications] 神酒勤, 矢野慎治, 佐藤徹: "リアルタイム処理のための非線形関数ネットワーク・ハードウエアモデル"第19回ファジイシステムシンポジウム論文集. 783-786 (2003)
• [Publications] 神酒勤, 佐藤徹: "知覚の重要度を基準とした顔画像からの特徴抽出"第19回ファジイシステムシンポジウム論文集. 895-898 (2003)
• [Publications] 神酒勤, 田代純一郎: "ファジイ推論を用いた発話者の感情判別"第19回ファジイシステムシンポジウム論文集. 549-552 (2003)
• [Publications] Keiichi Horio, Takeshi Yamakawa: "Hybrid System of ASSOM and Feedback SOM for Spatio-Temporal Pattern Classification"Proc.of Workshop on Self-Organizing Maps(WSOM'03). 1・1. 140-143 (2003)
• [Publications] Takeshi Yamakawa, Keiichi Horio, Satoshi Sono: "Inverse Execution Mode of the SOR Network and its Application to Multi-Values Function"Proc.of Workshop on Self-Organizing Maps(WSOM'03). 1・1. 273-276 (2003)
• [Publications] Hakaru Tamukoh, Keiichi Horio, Takeshi Yamakawa: "Fast Leaning Algorithm for Self-Organizing Map and its Digital Hardware Implementation"Proc.of Workshop on Self-Organizing Maps(WSOM'03). 1・1. 283-286 (2003)
• [Publications] 山川 烈, 堀尾 恵一, 上野 圭介: "ロボットアームの現在の姿勢を考慮した自己組織化システムによる手先位置制御"第19回ファジイシステムシンポジウム講演論文集. 1・1. 59-62 (2003)
• [Publications] Takeshi Yamakawa, Keiichi Horio, Keisuke Ueno: "Robot Manipulator Control Using Topology Representing Network According to Initial Posture"Proc.of the Ninth Symposium on Artificial Life and Robotics(AROB'04). 1・1. 498-501 (2004)
• [Publications] 山川 烈, 堀尾 恵一, 古賀 崇了: "自己組織化関係ネットワークによるトレーラ・トラックの後退運転制御"第5回自己組織化マップ研究会講演論文集. 1・1. 17-22 (2004)
• [Publications] 河野 英昭, 堀尾 恵一, 山川 烈: "カーネル法を適用した適応部分空間自己組織化マップ"第5回自己組織化マップ研究会講演論文集. 1・1. 59-62 (2004)
• [Publications] Shuhei Nishida, Kazuo Ishiii, Tamaki Ura: "A Navigation System for An Underwater Vehicle Using Self-Organizing Map"Proc.of GCUV2003. 101-106 (2003)
• [Publications] Kazuo Ishii, Syuhei Nishida, Tamaki Ura: "an Adaptive Learning Method for SOM Based Navigation System and Its Application to an Underwater Robot"Proc.of Workshop on Self-Organizing Maps(WSOM'03). 1・1. 287-292 (2003)
• [Publications] Kazuo Ishii, Hironobu Inada: "Behavior Generation of Bipedal Robot Using Central Pattern Generator(CPG)(1st Report : CPG Parameters Searching Methodby Genetic Algorithm)"Proc.of IROS'03. 2179-2184 (2003)
• [Publications] 佐藤 雅紀, 石井 和男: "不整地走行機構を有する移動ロボットの試作及び性能評価"ロボティクス・メカトロニクス講演会2004予稿集. 1P1-1F-C7(1)-1P1-1F-C7(2) (2003)
• [Publications] 西田周平, 石井和男: "自己組織化マップを用いた水中ロボットのナビゲーションシステム"ロボティクス・メカトロニクス講演会2004予稿集. 2P1-2F-A5(1)-2P1-2F-A5(2) (2003)
• [Publications] 渡辺啓介, 石井和男, 鈴木英之: "沿岸域調査用小型軽量AUVの概念設計"ロボティクス・メカトロニクス講演会2004予稿集. 2P1-2F-A6(1)-2P1-2F-A6(2) (2003)
• [Publications] 石塚誠, 相良慎一, 石井和男: "水中用マニピュレータの分解加速度制御"Proc.of SI2003. 734-735 (2003)
• [Publications] 酒井浩, 田中敏成, 森忠司, 大畑智海, 浦環, 石井和男: "AUVを用いたモザイク画像取得に関する研究"Proc.of SI2003. 736-737 (2003)
• [Publications] 西田周平, 石井和男, 浦環: "自己組織化MAPを用いた水中ロボットのための適応学習"Proc.of SI2003. 738-739 (2003)
• [Publications] 松尾貴之, 石井和男: "小型四足歩行ロボットの開発"第22回SICE九州支部学術講演会予稿集. 113-114 (2003)
• [Publications] 正門聖士, 石井貴幸, 石井和男: "四足歩行ロボットの安定性を考慮した歩容遷移"第22回SICE九州支部学術講演会予稿集. 123-124 (2003)
• [Publications] 佐藤雅紀, 石井和男: "不整地走行機能を有する移動ロボットの開発"第22回SICE九州支部学術講演会予稿集. 263-264 (2003)
• [Publications] 石井和男: "Evolutional AlgorithmによるEcho State Networkのパラメタ探索-Twin-BurgerのYaw運動の同定"海中ビークルWS2004. 15 (2004)