2004 Fiscal Year Annual Research Report
集積回路上への選択成長極微細シリコンプローブによるスマート・マイクロチップ
Project/Area Number |
14205044
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
石田 誠 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30126924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 和明 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40235461)
高尾 英邦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40314091)
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Keywords | スマートチップ / 微細針電極 / 単結晶シリコンプローブアレイ / VLS選択成長 / 細胞電立計測 / 網膜、脳科学 / MOSFET on Si(111) / マイクロ・ナノテクノロジー |
Research Abstract |
脳科学、生体・生理工学の分野において、多数細胞の電位分布取得による脳・各種神経系の解析が非常に重要視されている。しかし、現在市販されている細胞電位記録用の微小電極アレイデバイスは、電極サイズ、配列間隔共に非常に大きく、細胞集団の解析には適さない。一方で、本研究で提案するSi(シリコン)プローブ電極アレイチップは、電極サイズ、間隔が既存技術の1/10を達成し、これまでの電極の問題点を一掃する。更にこのプローブ電極は、同一基板上に信号処理回路(IC)の集積化が可能な利点を有する。 昨年度までは、プローブ成長、並びにプローブ電極化、信号処理回路、デバイス実装技術の確立を行ってきた。本年度は、これらの要素技術を基に電極デバイスを製作し、この電極デバイスを用いて実際の細胞測定実験を行った。また本電極の有用性も同時に示すことができた。 1.Si(111)基板上にMOSFETを実現し、更にプローブ電極アレイ用として位置選択回路を製作した。 2.測定対象を鯉網膜(膜厚約200μm)とし、これらのチップ上に網膜内細胞記録用のSiプローブ電極(長さ60〜80μm、直径2〜4μm)を製作した。 3.Siプローブのノイズ評価において、そのノイズは各種の細胞電位と比較して十分に低いノイズレベルであり、これより本デバイスが細胞測定用電極として有用であることを示した。 4.細胞電位記録として、網膜(鯉)の光応答試験を行った。実際の網膜を電極デバイス上に設置し、網膜の光刺激を行ったところ、光刺激に対応した細胞電位(ERG:網膜電図)を検出することに成功した。 このような微小電極アレイでの細胞電位記録の前例は無く、本電極デバイスは細胞集団の詳細な電位記録が行える電極技術としての期待が大きい。本研究で得られた研究成果は、昨年(2004年)12月にサンフランシスコで行われた国際会議(IEDM2004)において発表し、またその研究発表はIEEE EDS Japan Chapterより表彰された。
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Research Products
(14 results)