Research Abstract |
(1)1次元磁性フォトニック結晶の形成とその線形・非線形磁気光学効果の測定 磁性体欠陥層を1層持つ1次元磁性フォトニック結晶を作製し,その線形および非線形磁気光学効果の測定を行なった.非線形光学効果において,大きな第2次高調波発生と第3次高調波発生を確認した.さらに新しい構造として,磁性体と誘電体の積層構造を持つ1次元磁性フォトニック結晶を作製した.フォトニック・バンドギャップのエッジ付近で位相整合が起るために第2高調波が発生し,その結果,前述の磁性フォトニック結晶よりも,大きなファラデー回転と大きな非線形縦カー効果の磁気コントラストが生じることを確認した. (2)2次元磁性フォトニック結晶の形成 自己組織化した陽極酸化ポーラスアルミナテンプレートを用い,ガーネット前駆体であるゾルゲル液を細孔に充填し,それを加熱することによってガーネットの柱状構造を作製した.また,フォトリソグラフによってレジストが有無の2次元配列構造を形成し,それをArイオンスパッタによって,基板がむき出ている部分の結晶構造を壊した.その上で,液相エピタキシャル法によってガーネット薄膜を作製することで,結晶とアモルファスのガーネット2次元配列を作製した. (3)3次元磁性フォトニック結晶の形成 微粒子沈降法によってオパール試料を作製し,3次元磁性フォトニック結晶を作製した.作製したオパールの底部に配列が乱れた部分があり,それを研磨することによって,フォトニック・バンドギャップの幅を狭くし,かつ深くすること,つまり高い周期構造を持つ部分を取り出すことができた.そのオパール試料に,共沈法および熱分解法によって,マグネタイト,テルビウムガリウムガーネット,Bi置換鉄イットリウムガーネットを充填し,3次元磁性フォトニック結晶を形成した.また,オパール試料に各種溶液を浸漬させて,透過率,およびファラデー回転の測定を行ない,溶液の屈折率と光学および磁気光学特性の測定を行った.
|