2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205056
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩田 聡 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 教授 (60151742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 剛志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50303665)
綱島 滋 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80023323)
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Keywords | 磁気固体メモリ / スピントンネル効果 / スピン偏極電気伝導 / 反強磁性膜 / 交換異方性 / ナノ構造 / ブロッキング温度 / アモルファス合金 |
Research Abstract |
トンネル障壁を利用した金属ベースのスピントランジスタを開発するためには,良質なスピントンネル障壁の形成技術が不可欠であるため,本年度は,スピントンネル接合の形成技術について検討を行った。Si基板上に下地層としてSiN層(10nm)を成膜した後,AlCu(20nm)/NiFe(10nm)/Al-O(1.3-1.6nm)/NiFe(3nm)/IrMn(20nm)/Al(50nm)の構成の素子を作製した。接合面積は,100μm×100μmである。このタイプの素子は,室温で0.5から1.2%程度,12Kで1.5から3%の磁気抵抗変化率を示し,酸化Al層の層厚が薄くなるほど,変化率が大きくなった。しかし,NiFeを磁性層として用いた場合には,十部大きな磁気抵抗変化率が得られなかった。これは,接合界面の平坦性が不十分であるためか,金属Al層をプラズマ酸化するときにNiFe磁性層まで酸化されてしまうためではないかと考え,磁性層をCoFeBに変更した。CoFeBは,アモルファスあるいは,微結晶であるため,粒界に起因する界面の凹凸がほとんどなく,粒界から酸化が進むようなことも考えられられないため,磁気抵抗特性の改善が期待される。上記のNiFeの場合と全く同じ条件で,CoFeBを用いたスピントンネル素子を作製したところ,室温で,10%前後の,12Kで12から19%の変化率が得られた。室温における変化率が小さいのは,MnIr層による交換異方性が不十分であるためで,今後,MnIr層の組成比等を調整して,より大きな交換結合が得られるようにする必要がある。これらの実験は,5元のマグネトロン・スパッタ装置を用いて行ったが,スピントランジスタを作製するためには,6から8元の装置が必要であるため,8元のマグネトロン・スパッタ装置の開発と設計を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Kume: "Exchange anisotropy in epitaxial Mn1-xPtx/NiFe bilayers"IEEE Trans. Magn.. 38-5. 2785-2787 (2002)
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[Publications] T.Koyama: "Simulation of thermomagnetic recording process using magnetic field modulation method"Trans. Magn. Soc. Jpn.. 2-4. 271-272 (2002)
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[Publications] T.Kato: "Magnetic Circular Dichroism of Polycrystalline (Mn1-xCrx) Pt3 and Epitaxial CrPt3 Alloy Films"Trans. Magn. Soc. Jpn.. 2. 98-103 (2002)
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[Publications] T.Kato: "Magnetic domain structure of NiFe and MnIr/NiFe elements patterned by focused ion beam"Jpn. J. Appl. Phys.. 41-1OA. L1078-L1080 (2002)
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[Publications] T.Kume: "Exchange anisotropy of (001) oriented Mn1-xPtx/NiFe epitaxial films"J. Appl. Phys.. (印刷中). (2003)