2002 Fiscal Year Annual Research Report
再生水造水とリン資源回収のためのハイブリッド下水処理システムの構築
Project/Area Number |
14205077
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 義公 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00040999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 克輝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10292054)
岡部 聡 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10253816)
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Keywords | 膜ファウリング / 多糖類類似物質 / 膜分離活性汚泥法 / 前凝集沈殿処理 / F / M比 / 細菌相 / 粒径分布 / 環境ホルモン |
Research Abstract |
1 膜ファウリング機構の解明および制御 千歳川表流水を原水として回転平膜装置による実験を行った。使用膜は分画分子量75万Daのポリスルホン膜である。連続運転終了後、ファウリングした膜のケーキ層を除去した後、様々な洗浄液によって膜を洗浄し、洗浄液に抽出されたファウリング成分を分析した。NaOHとNaClOによる洗浄効果か高く有機物によるファウリングが示唆された。原水とNaOH洗浄液SUVA値はそれぞれ3.75と0.82であったことから、原水中の多重結合性の低い有機物が選択的に膜に吸着されたことが分かった。NaOH抽出液の三次元励起・蛍光スペクトル(EEM)の測定によって、ポリスルフォン膜では多糖類類似の有機物が可逆的ファウリングの主原因物質であると推測された。 2 膜分離活性汚泥法の微生物相の解析 下水処理場の最初沈殿池流出水を直接膜分離活性汚泥処理した場合と凝集沈殿処理してから膜分離活性汚泥処理した場合の活性汚泥細菌相の安定性をPCR-DGGE法によって解析し,Dice index(Cs)によって比較した。その結果、前者と後者で、Csはそれぞれ0.50と0.78となり、F/M比を低く安定させて運転した後者の方が安定した細菌相が維持されていた。このことが、後者では処理水のBDOCがほとんど0の安定した生物処理が行えた理由の一つと考えられる。 3 下水処理水質の安全評価 通常の活性汚泥法と膜分離活性汚泥法の処理水の環境ホルモン(17βエストラジオールとエストロゲン)濃度を測定した。その結果17βエストラジオール濃度は前者後者ではそれぞれ7.5ng/Lと2.0ng/Lであった。前凝集沈殿を行うことでTOC除去効率は上がったが、環境ホルモンの除去効率はほとんど変わらなかった。前凝集沈殿処理によって活性汚泥の粒径は大幅に小さくなったことから、環境ホルモンの生物吸着が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Itonaga, Y.Watanabe: "Performance of Membrane Bioreactor Combined with Pre-Coagulation/Sedimentation"Water Science & Technology. (in press). (2003)
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[Publications] 平岩ミリアンのり子, 伊藤司, 糸永貴範, 岡部聡, 渡辺義公: "PCR-DGG法による膜分離活性汚泥法の微生物群集解析"第37回日本水環境学会年会講演集. 61-61 (2003)
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[Publications] 金田一智規, 伊藤司, 岡部聡, 渡辺義公: "MAR-FISH法を用いた硝化生物膜の生態学的構造と機能の解析"第37回日本水環境学会年会講演集. 62-62 (2003)
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[Publications] 笹川学, 糸永貴範, 小澤源三, 渡辺義公: "膜分離活性汚泥法を用いた都市下水処理システムの高度化-単一槽硝化脱窒同時反応器の処理特性の把握と評価-"第37回日本水環境学会年会講演集. 289-289 (2003)
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[Publications] 糸永貴範, 渡辺義公, 三浦佑己, 小澤源三: "前凝集沈殿と膜分離活性汚泥法を組合わせたハイブリッド下水処理システムの評価-混合粘液土の上昇を支配する要因について-"第37回日本水環境学会年会講演集. 290-290 (2003)
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[Publications] 羽根康史, 木村克輝, 渡辺義公, Gary Amy: "河川水UF膜ろ過における不可逆的ファウリングに関する検討"第37回日本水環境学会年会講演集. 489-489 (2003)